
『グレインフリー』を考える
近年、グレインフリーのフードが人気です。もともとグレインフリーが出てきた経緯はドッグフードを効率的に作るために穀物や飼料作物を過剰に使いすぎたというドッグフードの開発の歴史の流れに対する反動としてでてきたものです。
ですので、グレインを減らすというのは正しい方向です。
しかし、間違ってはいけないのはグレインが入っていることが悪い訳ではありません。実際にグレインフリーにするための無理な配合による過剰な動物性タンパク質の摂取から腎臓などの血液数値(クレアチニン、BUNなど)が異常値になる場合があります。腎臓疾患は老年期に発症する犬や猫にとって命に関わる病気です。
重要なのは健康なワンちゃんは大丈夫ということ!
グレイン、主に小麦にはグルテンが入っているため悪いと言われます。実際に、小麦のアレルギーではコムギ蛋白であるグルテンが原因となります。しかし、それを避ける必要のあるのは小麦にアレルギーを持つ子たちです。
重要なのは、健康なワンちゃんや猫ちゃん、小麦にアレルギーのない子は食べても安全だということです。これは私たち人間も同じで、アレルギーがないのにアレルギーを起こす可能性があるというだけで卵、牛肉、豚肉、鶏肉、牛乳、大豆、米などをすべて食べない食事制限(フリー)をしないのと同じです。そして、それらの主要な食物を全て食べないで健康でいられるものでしょうか?
進化の歴史が大丈夫だということを証明している
犬の進化の歴史をヒモ解けば、犬の祖先である狼は草食動物を食べることで間接的に草の代表であるイネ科植物とその種子(穀物)を摂取してきたことが明白です。一方で、草食動物が食べなかったネギ類は、犬や猫にとり今なお毒草で血液が溶けてしまいます。人と暮らしだしてもイネ科(穀物)には犬が順応できても、玉ネギでは命に関わる毒となるのはこのような数千万年の食歴という背景によります。
このように犬は鹿や牛などの反芻草食動物の内臓とともにグレインを摂り続けてきた歴史があります。そして、犬にとり草食動物とともに摂取するイネ科植物は重要な栄養素を補給するために必要なものだったのです。ネコ科の動物たちも、やはり捕らえた動物の内臓を食べています。猫が健康を守るために必要とするものもグレイン若葉である猫草です。
何事も真実とバランスが大切です。グレインフリーかフリーでないかで悩むのではなく、犬や猫の大きな進化の歴史の中からワンちゃんや猫ちゃんにとって正しい真実のバランスを選んであげていただければと思います。そのため、弊社や世界的に有名なカリフォルニア大学の獣医病院の療法食にも計算された適正量のグレインが使用をされています。