
ポーチュギ-ズ・ウォーター・ドッグ
犬種の特徴
ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグは、体高より体長がやや長い体形をしており、全体的にバランスのとれた体つきをしている犬種です。力が強く筋肉質で、水掻きがついたような四肢で、水のなかでも陸の上でも長時間作業をすることができます。
全身が、厚くウェーブがかった長毛やカールになった被毛で覆われています。スタンダードでは2種類の刈り込みが認められており、ひとつは顔面と後肢と下半身の毛を広範囲に渡って短く刈り込む「ライオン・クリップ」で、もうひとつは被毛全体を約3cmほど刈り込み、頭部と四肢の毛を残して全体を刈り込む「ワーキング・レトリーバー・クリップ」です。どちらも尻尾の先端は、丸く長い毛のままでした。
ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグは、ものごとに敏感に反応し、動作が機敏で、家族と一緒にいることを好む、落ち着きのある犬種です。感受性が強く、飼い主の指示によく従う愛情深い犬種です。、水中作業犬として活躍してきたため、水の中で遊んだり作業したりすることが大好きな犬種です。
この犬の歴史
水中作業犬として活躍してきたポーチュギーズ・ウォーター・ドッグの、起源をたどっていくと、祖先犬は中央アジアの大草原に生息していた家畜犬で、5世紀頃に西ゴート族によって、あるいは8世紀頃にベルベル人とムーア人によってポルトガルに持ち込まれたのではないかといわれています。この家畜犬はプードルやアイリッシュ・ウォータードッグなどにも影響を及ぼしたとも考えられています。
この犬種はポルトガルに持ち込まれると、その卓越した水中作業能力をおおいに発揮するようになります。特に、魚の群れを集めて網の中に追い込んだり、水の中に落ちてしまった道具などを潜って取ってきたり、または、船から船、そして船から岸へ荷物を運んだりする作業犬として、人々の注目を集めることになりました。
ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグの被毛タイプは短めの「巻き毛」と長毛の「波状毛」の2種があり、いずれも体全体に厚く密生しているので、水をはじき水中作業に適しています。
しかし、伝統的な漁のスタイルがすたれるにつれて、1900年代の初めには、ポルトガルの海岸から漁師や水中作業犬たちの姿が見られなくなっていきます。
そんななか、海運業の大事業家であるヴァスコ・ベンスアーデという人物が残された犬たちを保護し、この犬種の繁殖に着手し始め、その結果、この犬種のクラブが結成されるほどまでになります。そしてこの犬種は正式にスタンダードが発表され、何頭かの犬が初めてショーの舞台に立つことになりました。
1950年代にはイギリスでも見かけるようになりましたが、あっという間に姿を消してしまいます。1958年にはアメリカに渡り、徐々に数を増やしていくことになります。1984年にAKCによって認定されると、この犬種の人気は急上昇し、現在では家庭犬として人々から愛されています。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | 進行性網膜萎縮症・股関節形成不全 眼科検査・股関節検査をしておくことをおすすめします。 |
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