ワンちゃんは毎日同じエサで飽きないのか?

ワンちゃんは毎日同じエサで飽きないのか?

20170220-01-ph02弊社のお客様からも「エサを食べなくなったので」というお声を頂きます。逆に、「他のメーカーのフードを食べなくなったのでこちらのにしました」というお声もいただきます。

では、実際のワンちゃんに何が起きているのでしょうか?結論から言います、理由があり「ワンちゃんは毎日同じエサでも飽きない」のです!

それには、犬の進化が大きくかかわっています。

食べないことをフードに飽きたと解釈するのは、私たち人間の大きな誤解であることが多く、これを見誤ると、愛犬の病気の危険性を高めることになります。

ただし、たくさん食べてくれること、多く食べることが売り手には利益になる関係か、この与えすぎに注意を払うことの情報提供は売り手からは発信されないことが多く、かかりつけの動物病院やドッグトレーナーさんなどから食事を控え目にするようアドバイスいただくことが多いと思います。

しかし、実際には愛犬が欲しがった時には愛犬への可愛さからフードを欲しいまま与えてしまわれるケースがとても多いです。

これには大きな誤解があります。話が長くなりますが、人に例えて説明をしたいと思います。

日本人と西洋人の違いからみると犬の違いもわかります。

20170220-01-ph03例えば西洋人と日本人の体質を比べていくと、犬の体質がどういうような体質なのかが分かりやすくなります。

日本人が一番大きく誤解しているところはヨーロッパという立地です。
最も犬の品種が作られた地域がヨーロッパで、その地域をあまり理解していないというところが大きな問題となっています。

そもそもこの部分への理解がない場合、根本的な犬の体質、そして、人の体質の理解というものがに対して誤解を起こしてしまいます。
日本ではこの誤解が蔓延しています。

では、まず人の体で説明してゆきます。

日本人と西洋人の体の違いで一番大きな違いとして気づくのは、

(1)色の白さ
(2)体の大きさ

だと思います。

では、色が白く、体が大きいのかというと、色が白いのは太陽が弱いからです。

太陽の光を浴びてビタミン作る構造があります。
正確に言うと太陽の光を皮膚が浴びることにより、皮膚に運ばれたコレステロールがビタミン D というビタミンに変換され、生きるために必須の栄養素の一つとして作られます。

このビタミン D は骨などカルシウム代謝に必須のビタミンです。
しかし、 太陽(光)が弱い地域というのは、このビタミン D の変換が不十分となります。

それを防ぐためにも西洋人には、メラニンという皮膚の黒色の色素が極めて少なくなっており、そのことが色白に見える理由です。

このため白人が住んでいる地域、ヨーロッパは太陽光が弱く、とても寒い地域であるということがわかります。

ですので、ヨーロッパの人(白人)が作り上げた犬種(世界の純血種のほとんど)は、白人と同じように太陽の弱く、寒い地域で生まれたことが理解でき、
この理解が愛犬の理解にとても重要となりますので、ぜひ、覚えておいていただきたい愛犬家必須の知識です。

西洋人の体の大きい理由は寒さに対応するため進化したのです。

20170220-01-ph04次に西洋の人が体が大きい理由ですが、これは体が小さいほど 体内の熱を奪われやすく、体が大きくなると熱を皮膚(体表)から奪われにくくなります。

寒さに対して強くなるために体を大きくする方向に進化したのが西洋の人々です。

これは、動物のクマなどにも共通した進化です。
世界のクマの大きさを比べると、熱帯地域の暖かい地域の住む熊は、小型で、北極に近づき寒い地域の熊ほど、体が大きくなります。

その代表的がシロクマ(白熊)です。
シロクマは北極という極寒の地域住むため、体がとても大きく熱が体内に保持しやすい体に進化しています。

あと、日本人と西洋人の大きな違いは、

(3)体温
(4)脂肪蓄積の活発さ

です。

寒い地域でも活動できるよう熱の体内生産が白人は高く、そのため体温がたかくなっています。
これも寒さへの適応の一つと言われています。

そして、脂肪蓄積の活発さです。

これは、寒い地域は、食料が欠乏する時期が長く、あと気候の急な変化などにより、飢餓が頻繁に起きる過酷な環境です。

特に、ヨーロッパは、大西洋海流の流れの変化により、深刻な食糧不足に襲われることがたびたびあったことが歴史でよく知られています。

欧米に旅行や住居した方はご存知かもしれませんが、西洋の方がとてもふくよかな方が多いと思います。

これは、日本人よりもはるかに脂肪を蓄積しやすいよう飢餓や飢饉でも生き抜けるよう体が進化してきたことと関係あります。

ただし、現在では、ヨーロッパやアメリカで飢餓や飢饉はないですので、豊富な食糧が深刻な肥満という問題を起こしています。

世界では、日本人がスリムであるということで、繰り返し特集が組まれています。

ただ、日本人は、この違いを見落としやすく、さらに、それを同じ環境で暮らしてきた犬が同じ問題(体質)を抱えていることにまでは、なかなか想像できないという深刻な問題があります。

西洋での愛犬の飼育では、飼育者の西洋人自体が愛犬と同じ問題を抱えていますので、直観として、愛犬の身体的な弱さがわかります。

そのため、愛犬が人と同じように食べ過ぎてしまう問題。
それにより太りすぎる問題。
太りすぎや食べ過ぎから様々な病気を誘発しやすくなる重大な問題について理解しやすい環境です。

日本の人は、海外に行って滞在が長くなると、出される食事量の多さから胃炎や胃もたれになります。
このように、日本人には、食べ過ぎることによる身体の将来の重大な危機を未然に予防する機能が備わっていることが多いです。

ですが、西洋人や西洋の犬には、この太らなくしたり食べ過ぎないようにする安全装置はなく、逆に飢餓や飢饉に備えてできるだけ高栄養のものをたくさん食べて脂肪を蓄積するように作られています。

なんとなく、西洋という環境がご理解いただけたでしょうか?

良質の食事は栄養が満たされると必要以上な量を摂りすぎなくなる

20170220-01-ph05ここまでを整理すると、愛犬が自分の必要量以上に食事を欲しがり、体重が超過しやすい理由は、寒い西洋で過ごした歴史が関係していることがわかっていただけると思います。

そして、日本人の感覚ではその食事への欲求と太りやすさは、感覚的に想像できないぐらいに大きな違いや誤解を生むことになっています。

また、ドッグフードは、売り上げるためにできるだけ、その嗜好性を高め、やめられなく止まらないように設計されてきました。

良質の食事は、美味しいものですが、それでも良質な食事は、栄養が満たされると、最初にパクパク食べて満たされると、必要以上には食事を摂りすぎないようにピタッと食事の摂取が止まるという起きることがあります。

実は、そういう栄養が満たされると食事を止められる愛犬は、食事を食べ過ぎない安全装置が働いている可能性が高いのです。

ここで、せっかく、多くの犬の弱点であり、病気の原因にもなってる食べ過ぎが防げているにもかかわらず、このフードは食べないということで、嗜好性の高いフードに切り替えることで、
肥満や、食べ過ぎによる病気のしやすさが発生します。

本当に良い食事は、最初の食い付きは良いですが、満たされた時点で、あまり食べなくなる、食事量を減らしても大丈夫になるという性質を持っています。

これには、理由があり、良い食材は美味しいですので最初は好みます。
しかし、とても満足がいくため、ジャンクフードのように食べ続けなくても栄養が満たされるという部分があります。
これは人でも良質の食事で共通することだと思います。

良質の栄養を補うことが長く必要な愛犬ほど、良質のものを長期間欲しがり続けるという傾向がありますが、その後は、食事量の調整はしやすくなってきます。

また、食欲が少ない量で早く安定しやすい犬種は、チワワが代表です。
チワワはメキシコという熱帯地域の血統であるため、西洋の純血犬よりもかなり食欲を制御する機能を持つ子がおおいです。

チワワほどではありませんが、日本犬なども欧米の犬に比べると、食事や太りすぎのコントロールはしやすいか傾向があります。

その他に、ワンちゃんがエサを食べなくなる原因としては、『ワンちゃんの贅沢病』があります。

ワンちゃんが今の餌を食べなくなる前に、ちょっと豪華なエサ(おやつのあげすぎ)や、味の濃い人の食事をあげたという記憶はないでしょうか?

ワンちゃんは塩分や油分が濃い味を覚えると、それに慣れて欲しがるようになります。
ワンちゃんは賢いので、一度美味しい味を覚えると、今までのフードでは満足しなくなってしまいます。

愛犬がエサを食べなくなった時はフードを変えるのではなく愛犬の生活の見直しを!

20170220-01-ph07ふたつめは、やはり愛犬はかわいいので、飼い主さんや、そのお子さん、ご家族がおやつをあげたりすることで、必要以上に栄養を摂取してしまっている場合です。

おやつをせがまれるままに与えてしまうというご家庭は多いですし、それと同じぐらいに飼い主の家族が、飼い主に隠れておやつや人の食事やパンなどを隠れて与えられていることがかなりありますので、一度、家族の様子を確認してみるということも必要な場合はあります(笑)。

本来ワンちゃんの祖先は野生の為、毎日が生きるか死ぬかの瀬戸際ですので、目の前の食べ物をできるだけ食いだめしておこうという本能を持っていて、食べ過ぎた時にはワンちゃん自らが調整するものです。
(その調整機能を持っている子と、ほとんど持ち合わせていない子があるようです)。

つまり、栄養リミッターを持っている愛犬の場合には、体に必要な栄養が満たされると、自ら食べる事をやめるのです。

ただ、多くのドッグフードは、そのリミッターを働かせないよう香味調整をしてありますので、愛犬の健康にとってやや不安な面があります。

もし、機会がありましたら、動物病院やドッグトレーナー、ペットホテルに愛犬を預ける時に、ワンちゃんの1回の食事の量を参考までに見せてもらうといいかもしれないです。

おそらく「えっ!そんなに少ないの?」と思われると思います。

犬の飼育に熟練した人ほど、愛犬の食事量は意外に少なめで、運動などの必要に応じで、適切に増減いたします。

もし、愛犬がエサを食べなくなってしまった時には、まずは、フードを変えるのではなく、愛犬にどんな食生活をさせているか、愛犬の体が締まっているかを振り返ってあげてください。

食べるフードにすぐに切り替えてしまうと、せっかくの健康になる機会を失うことになるわけです。

医学的に証明されていますが、食べ過ぎより食べ過ぎないほうが病気も少なく長命となります。

日本では腹八分目と言われますが、医学的には腹7分目ぐらいの制限食が長命で、病気を少なくしやすいということが理解されています。

食べなければさらに美味しいフードを探して与えるというのは、一見 愛犬のためのように見えながら、愛犬の心身をむしばんでいることもあるというのは、人も犬も同じです。

必要以上に栄養を摂りますとワンちゃんの健康を害しますので気をつけてあげましょう!

20170220-01-ph06まずは、餌をあげて、食べなければ片づけるようにしましょう。そうすることで、自分が食べるものと食べる時間を覚えていきます。ここは心を鬼にして(笑)。
西洋と日本の違いを思い出して、愛犬のために判断してあげましょう。

どうしても食べさせてあげたい場合は、ワンちゃんは舌の味覚が弱い分、嗅覚で補っていますので、フードを電子レンジなので、人肌程度に温めてあげましょう!

温めることでニオイが強くなりますので、食べてくれるかもしれません。

私の作ったデイリースタイルもワンちゃんの健康を考え、食欲増進剤を使用していませんので、体が必要な栄養で満たされると食欲をコントロールしやすくなるように作り上げています。

このような配慮をしているフードはとても少なく貴重な食事だと思います。

飼い主さんの立場だと、愛犬がバクバクもりもり食べてくれる方が元気に見えますが、必要以上に栄養を摂りますとワンちゃんの健康を害しますので気をつけてあげましょう!

獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 一般社団法人ペットフード協会 会員

ペットフード公正取引協議会 会員

The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

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