
サルーキ
犬種の特徴
サルーキーは、骨格に見えるので痩せているように思えますが、この体型が健康で正常な姿。グレーハウンドに似た流線型の体で、V字型の頭部と大きなたれ耳をもちます。優雅さと、バランスのとれた印象を与え、際立ったスピード感と耐久性、また力強さと活発さも見られる犬種です。
全身短いタイプの被毛と、耳や尻尾、足の指と指の間や足の後ろ側に絹のような長い被毛がみられます。
非常に意思が強く、利口な犬。警戒心の強いところもありますが、飼い主や家族に対しては非常に献身的です。ただ、自分から感情をあらわに出すタイプの犬ではありません。家の中では、非常に静かで落ち着きがあり、ゆっくりくつろぐのも好む一方、いったん外に出ると、ものすごいスピードで駆け回ったりといった活発な面もみせます。
この犬の歴史
サルーキはもっとも古い歴史を持った犬種といわれ、紀元前数千年という古代エジプトの墓に、サルーキが存在していたという証拠品が見つかっています。
「サルーキ」という名前は、地中海東岸の古代文明セレウキアに由来しています。アラビア人である遊牧民たちは、砂漠で、古くから鹿(レイヨウ)狩りや、ガゼル(アフリカ・アジアに住む小型のカモシカ)やキツネ、野ウサギをしとめるために、ときにはハヤブサを使いながらサルーキに狩りをさせていました。
イスラム教の教えでは「犬は汚れたもの」と考えられていましたが、サルーキは「エル・ホル(高貴なもの)」とまで呼ばれおり、狩猟犬として食用の肉を調達してくれるサルーキは、人間と一緒にテントの中で眠ることを許され、丁重に扱われていました。また、サルーキが捕ってきた肉は教義上も食べることが許されたと言います。
当時、サルーキは、同犬種以外の犬と交配することが禁じられていたため、何世紀にも渡って、サルーキの血統が純粋に引き継がれていくことになります。
遊牧民族が徐々にその生活地域を広げていくのに伴って、サルーキも中東の広い地域に渡って生息するようになり、それぞれの地域でさまざまなバリエーションを持ったサルーキが誕生しました。
第一次大戦中にはイギリス軍将校らが中東地域からサルーキを本国に持ち帰り、細身で脚の速い犬種の関心が高まりました。これ以降「犬のサラブレット」と評され各国で知られるようになりました。
1900年前後には西欧諸国の愛犬家たちの注目を集め、1928年にはAKCから犬種として認定されます。
現在でも、野ウサギ狩りなどに使われているサルーキはいますが、その美しい神秘的な外観から、ショードッグとしての人気が高まってきています。また、ガゼル・ハウンドと呼ばれていた時期がありました。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | 皮膚病 予防として皮膚病検査をしておくことをおすすめします。 |
---|