フィニッシュ・スピッツ

フィニッシュ・スピッツ

写真:Wikimedia Commons

フィニッシュ・スピッツ

犬種の特徴

丸くて黒眼がちの眼が可愛らしいフィニッシュ・スピッツは、北方系の犬の特徴を受け継いでいる犬種で、ピンと立った小さな耳、体高よりも体長がやや短く、横から見るとほぼ正方形に近い胴体を持ち、そしてクルッと巻いた尻尾、すばやく、軽やかな足取りで歩きます。全体的にキツネのような外観をした犬種です。

被毛は、柔らかで短い下毛と、硬くまっすぐな上毛との二層構造になっており、非常に寒い環境のなかでも狩りをすることができます。激寒のなかで狩りをするうえで、それに耐え得るよう作られた体型と、疲れを見せないタフな性質とを兼ね備えた狩猟犬といえます。

フィニッシュ・スピッツは、好奇心が強く、遊ぶことが大好きですが、一人の飼い主にずっと忠誠を尽くす傾向があります。また、子供や他のペットとは基本的に仲よくやっていけますが、見知らぬ人や、犬には、よそよそしい表情を浮かべて距離を置こうとします。

この犬の歴史

フィニッシュ・スピッツは、スピッツ系の北方祖先犬を起源としている犬種です。祖先犬たちは、昔、フィン・ウゴル族がユーラシア大陸からフィンランドへと移動してきた時に、一緒に連れてこられたといわれています。

当時、この犬たちはキャンプ暮らしのフィン・ウゴル族の番犬として、のちには猟犬として活躍することになりました。
このフィノ・ウグリアン族はフィニッシュスピッツを猟犬として用いてきましたが、獲物の位置を吠えて知らせることから「バークポインター」(bark pointer)とも呼ばれます。
フィニッシュ・スピッツの狩りの仕方は独特で、猟師から離れて歩き回り、獲物となる鳥を見つけると、その居場所を大きな声で吠えて猟師に知らせるといった狩猟法をとります。鳥が飛び立てば、犬たちは鳥がまたどこかに止まるまで執拗に追いかけ、止まったその場所を、また猟師に吠えて知らせるといった方法で獲物をしとめていきました。

この犬種は他の世界から孤立した状態に置かれていたため、改良の手が入ることもなく、純血のままその血統を受け継いでいました。ところが、1800年代初めに、交通機関の発達により様々な地域から犬が入り込むようになったため、異種交配が行われて、純血のフィニッシュ・スピッツはほとんど姿を消してしまいます。

その後、1800年代後半に、フィンランド人である二人のスポーツ愛好家が、北方にある森の中で純血のフィニッシュスピッツを見つけることに尽力し、その後30年近くに渡って血統の純化に携わりました。

この犬種は当初、フィンランド語で「スオメンピュステュコルヴァ(ピンと立った耳を持つフィンランドの犬)」、または吠え声を駆使した鳥猟を繰り広げていたことから、「フィニッシュ・バーキング・バード・ドッグ」などと呼ばれていました。1891年、正式に「フィニッシュ・スピッツ」という名前に変更されました。

1960年代になって初めてアメリカで繁殖されるようになり、1988年にはAKCのノンスポーティング・グループに認定されることになります。

アメリカではずっと、フィニッシュ・スピッツは愛玩犬として親しまれてきましたが、原産国のフィンランドでは、以前と変わらず今も狩猟犬として人々から重宝されています。

ちなみにこの犬種は現在、1979年、フィンランドの国犬となっています。

かかりやすい病気

気をつけたい病気 特にありません。
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獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

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