
写真:christina
イタリアン・グレーハウンド
犬種の特徴
イタリアン・グレーハウンドはグレー・ハウンドを小型化して細身にした犬種で、優雅で気品ある身のこなしが特徴的です。グレーハウンドと同じように、ダブルサスペンションギャロップ(前脚と後脚を揃えて動かし、背中を使って走る歩様)を使って最速のスピードで走ることができます。
また、美しい曲線的なラインの腰と、バランスのとれたアンギュレーション(結合している角度)をした後肢を持ち、前肢を高く上げてから踏み下ろす歩き方でのびのびと動きます。
性格は感覚鋭敏、温和、従順ですが走るものを追跡する狩猟本能は残っています。身体は、サイトハウンド系の中では最小であり、頭蓋骨も非常に小さいため、首輪よりもハーネスを用いたほうが良いでしょう。
また短毛で小型のため非常に寒さに弱く、寒い季節に外出する場合はコートが必要になります。
短い被毛はつややかで、サテンのように輝いています。
この犬の歴史
イタリアン・グレーハウンドは、何世紀にも渡って存在していましたが、いつ、どこでこの小型化されたグレーハウンドに発展していったのかは明白にわかっていません。
イタリアン・グレーハウンドに近い犬たちが存在していたとされる証拠の品は、トルコ、ギリシャ、そして地中海周辺などで発見されており、なかには2000年以上前に遡るものもあります。この小型化されたグレーハウンドは、中世頃には南ヨーロッパ中で飼われるようになりましたが、特にイタリアの王室に大切にされていました。
この犬種がイギリスに渡ったのは17世紀のことで、イタリアと同じように王室や貴族の間で人気が高まりました。この犬種は、犬についての当時の本に書かれた、2種類しかないトイ・グループのうちの一犬種としても知られ、ヴィクトリア女王の時代には最高の人気を誇っていました。
その後、頭数はだんだんと少なくなり、第二次世界大戦後にはイギリスから消えてしまったのではないかといわれるほど減少してしまいます。理由のひとつとしては、サイズを小さくするためだけを目的とした交配が繰り返され、犬の健康への配慮を度外視していたことが考えられます。
幸いにもこの犬種は、1800年代にアメリカに持ち込まれており、その数は少数だったものの血統はよいものでした。この犬たちが、のちに輸入された犬たちと交配され、ヨーロッパでの復活に一役買うこととなります。その後、この犬種の人気は徐々に上昇し、再び高い人気を誇るようになりました。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | 骨折(脚や尻尾が骨折しやすい) 予防として、股関節検査・眼科検査検査をしておくことをおすすめします。 |
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