<愛犬が突然消えるようにいなくなる理由>
可愛がっている愛犬が飼主の前から突然いなくなる。
そういう子がときどきいます。
長年、暮らしてきて、迷子になったり、帰って来れなくなる理由はありません。
とても良い子で、とてもかわいがっています。家出をする理由は見当たりません。
事故かと心配しますが、事故に遭ったということも近所で聞くことはありません。そして、保健所などでも保護されていません。
あの子は、どこに行ってしまったのか?
飼主さんは、愛犬の写真を印刷して電柱に「犬を探しています!」と必死の捜索をされます。。。
愛犬は、どこに行ったのでしょう?
それよりも、愛犬は住み慣れた大好きな家族を置いて、どこに行ってしまったのでしょう!!
実は、この現象はとても繊細でやさしい愛犬で起きやすいです。
多くのペットを見ていて感じますが、あるタイプの愛犬は、飼主に自分の逝く姿を見せないように配慮しようとします。それは、飼主が悲しむからです。
たいせつな飼主の心配や悲しみを少しでも軽くしたいという「愛犬なり」の心遣いなのです。
ときどき迷い犬を必死で探されている飼主さんが電柱に愛犬探しの張り紙をされています。
その迷い犬のなかには、たぶん、わりと多くが、最期の時間が迫っているのを知り、飼主や家族に負担をかけないために自ら愛する家族のもとから去ります。
犬は、昔オオカミでした。
そのとき、年老いて狩りができず、家族に必要な役割分担ができないとわかったとき、
ただでさえ生き残るのが厳しい自然環境の中で、自分の大好きな家族が生き延びれる可能性を高くするために、
働けなくなり、ごはんだけを食べるようになった自分は、周りに気づかれぬよう自分から群れを去るという選択をする子がいるのです。
群れである大切な家族を守るために、大好きな大切な家族の元から去るのです。
こういう習性が犬にはあります。
そして、こういう「身を引く」という行動は、多くの動物にみられる愛情行動です。
動物は未来が分かっていないという人がいいます。
果たして、そうなのでしょうか?
私の個人的な経験からは疑問を感じます。
そういう人は、本当に動物を家族としてかった多くの経験を持つのでしょうか?
自分の命やケアよりも、なによりも自分の大切な家族が幸せであって欲しいという願いを愛犬は持っていると思います。そういう存在だから、人は犬をこれほどまでに愛するのではないでしょうか。
犬というのは、そういう配慮をすると思います。
その配慮が誤解を生んだり、別の悲しみを生むことはありますが、彼らが自分より大切な存在のためになにかをしようとしたその行動は、どこかで理解されるのでしょう。
それが人がここまで犬を無意識に愛する理由だと思います。
そして、愛する愛犬が突然目の前からいなくなった経験のある飼主さんに伝えたいことがあります。
愛犬は飼主さんを愛するがゆえに、自ら愛する故郷から旅に出ることがあると。
それは、帰らぬ旅です。
そして、飼主の幸せを願いつつ木の陰などでひとり静かに去っていきます。
飼主さんには、愛犬のこの想いを無駄にしてほしくないと思います。愛犬のためにも幸せになってください。
そして、その子のことを一生忘れないであげてください。お願いします。