
クバーズ
犬種の特徴
クバーズは、体高より体長がわずかに長い、がっちりした筋骨とたくましいボディをもつ超大型犬です。軽い足の運びを見せて、軽やかに歩きます。
この犬種が合わせ持っている力強さと機敏さは、警備犬、狩猟犬、家畜の群れを管理する牧畜犬といった、多方面の能力を持つ犬種の血統に由来しています。
直毛かウェーブ状の、適度に粗い二層構造で体全体がホワイト一色の被毛で覆われています。
かわいらしい表情をしたクバーズですが、この犬種は優秀な警備犬として、勇敢に家族や財産を守ってくれます。飼い主に対しては忠実ですが、警戒心が強いため、特に見知らぬ犬には攻撃的になる場合もあります。
この犬の歴史
クバーズは、ハンガリー原産の犬種だと考えられていますが、その起源はチベットの大型犬にあるとされており、この犬種はチベットからトルコを通ってハンガリーに渡ったといわれています。トルコの遊牧民によってハンガリーに伝わり、バルカン半島を中心に保護されて来た1000年以上の歴史を持つチベタン・マスティフ系の大型犬種です。
V字形の垂れ耳をもち、ウェーブのある厚く白い被毛に覆われた使役犬で、ク ーバースがロシアの草原地帯を起源とするコモンドールと密接に関連があると言う説は信用できます。実際クーバースとコモンドールは毛質以外の点で類似点が多です。 クーバースの犬名は「貴族の守護者」と言うトルコ語に由来し、ヨーロッパの大型犬種の中で特異な経緯をもっています。
13世紀以降、貴族の領地で使役犬として働いていたクーバースを、王国や帝国の貴族が自身の護衛犬として主として城郭の中で飼育しました。クーバースは王室が認めた者のみが飼育を許され、大きな領地の所有者は大規模な施設でクーバースを飼育し、大型獣の狩猟の性能を競っていました。
ハンガリーでは15世紀後半にクーバースの黄金期を迎え、1458年から1490年まで在位したマティアヌス王は自らの身辺警護のために大量のクーバースを飼育し、王のまわりには宮廷の中でさえ王の地位を狙う貴族であふれていました。
身内でさえ信じられないと言う戦争に明け暮れる時代であったため、王にとっては主人に忠誠を誓うこの大型犬は心を許せる唯一の部下であったと言います。
その後時代を経て、クバーズは徐々に家畜を守る番犬として、貴族だけでなく一般大衆の間にも広まっていくようになります。テリトリー意識が強く、主人に忠実であるため、侵入者や他人には警戒心が強く、かつての市街地では口輪をはめる事が義務付けられていたそうです。
その後牧畜業の近代化により護衛犬としての役割を終えたクーバースは、性格の改善が計られて家庭に迎えられ、現在では都市部での人気が高くなっています。
1930年代には、何頭かのクバーズがアメリカに渡り、1935年にはAKCに認定されることになりました。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | 股関節形成不全 予防として心臓機能検査・関節検査をしておくことをおすすめします。 |
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