
写真:Sylvie Saulue/Design Madeleine
アイリッシュ・ウルフハウンド
犬種の特徴
セントハウンド(嗅覚獣猟犬)のなかでももっとも体高の高いアイリッシュ・ウルフハンドは、グレーハウンドよりもがっしりとした体つきをしていますが、どちらかというと長毛のグレーハウンドに似ているところがあります。大きい体格はとても重要視されていて、それに敏捷さと力強さを持ち合わせることでこの犬種は、大型の獲物も楽々追い詰め、しとめることができるのです。 全犬種の中で最大級の体高を持っていることが特徴です。
硬い被毛は寒さや湿気、敵の牙から体を守る役目を果たしており、目の周りや顎の下は特に長く針金のような毛で覆われています。
アイリッシュ・ウルフハウンドは勇猛であるが気質はきわめて穏やかで、家庭犬として望まれる要素を多く持っている犬種です。最大サイズの犬種と言うことでファンも多いのですが、生後6ヵ月45kgにまでなる犬種のため、もの珍しさや思い付きでの飼育はおすすめしません。
屋内ではいつも物静かで落ち着きがあり、感受性が強く、おっとりとしながらも強い忍耐力のある犬種です。
この犬の歴史
391年にローマで初めてアイリッシュ・ウルフハウンドに関する記録が残されています。
大型の犬であるアイリッシュ・ウルフハウンドは、紀元前1500年頃までにギリシャからアイルランドへ渡ってきたと考えられています。
アイルランドでこの犬たちはさらに大型化し、猛獣な獣と戦う姿、その威厳に満ちた風格と勇敢さがローマの人々の心をとらえたようでした。
1800年代までアイルランドの農家では狼の襲撃から家畜を守るためにウルフハウンドの飼育が不可欠した。
初期のアイルランド文学に、さまざまな犬種名で登場する「大きな犬」の多くはアイリッシュ・ウルフハウンドでだといわれています。
「体は大きいが、スパニエルのように従順。」「勇敢であるが、攻撃的ではない。」「人間に近い知性をもつ犬。」など、実猟犬用途を超えた存在として永く親しまれてきた犬種です。
アイルランドで「狼」が絶滅し、狩りの必要がなくなってからは数が減少の一途を辿り危機的な時期もありましたが、19世紀後半、A・グラハム氏を中心とする愛好家が絶滅寸前のウルフハウンドを捜し出し、他のハウンド種の血液も加えて育種に努め、復活させたのが現代のアイリッシュ・ウルフハウンドです。
現在でも、大型犬を飼うという大変さが手伝って、その人気は爆発的とまでにはなっていませんが、その威厳ある堂々とした外観はたくさんの人々を魅了しています。
かかりやすい病気
特に気をつけたい病気 | 胃捻転 |
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気をつけたい病気 | 肥大性心筋症、股関節形成不全。 予防として、股関節検査の検査をしておくことおすすめします。 |