自分に合った獣医(動物病院)の選び方

「相性の良い獣医」の選び方

これって、難しいですよね。

でも、あるポイントに注目すると、各ご家庭ににおける、相性のよい先生が見つけやすいです。

最初に、間違いだと思うのは、自分が探している獣医さん(動物病院)への選択基準に、『良い獣医さん(良い動物病院)』は、どこですか!!!?
と問いかけることです!!
これだと、自分が探し求めている理想の獣医さん(動物病院)には、たどり着けない可能性が高いです(笑)
というのは、「獣医さんにより、目指されている病院の方向性が全く違う」からです!!

同じように、飼主さんも「良い獣医」と判断される基準が、各人により全然違います(笑)。

ほんとうに違うのです!!!

検査をしっかりと深くしてほしい飼主さんもいらっしゃれば、 ナチュラルな療法を好まれるかたもいらっしゃいます。 そして、高度の最新機器による医療を求められる飼主さんもいらっしゃれば、 できるだけ最低限の治療にとどめる先生を求めておられる飼主の方もいらっしゃいます。

本当に、全然違います!!

ゆえに、「良い獣医さん、どこかない?」と聞くと、みなさんバラバラの意見となり、良さそうな評判の所に行くと、ガッカリということが起こります。とても多いケースだと思います。

ですので、動物病院が目指している方向と、飼主さんが求められている方向が合っていることを、最初に確認されるのが、あなたにとっての「良い獣医(良い動物病院)」に出会えるコツと言えるでしょう!!

そこで、獣医が目指す動物病院の主な方向を紹介します!!

獣医が目指す動物病院の主な方向を紹介

1 心やさしい獣医師
このタイプの獣医師や動物病院は、自分自身が動物ラブ(Love)!!という先生が多いです。そのため、動物の立場で考えられる良心的な先生が多いです。
<このタイプの先生の見分け方>
ホームページをみてください。
そこで、先生が飼育されている動物がホームページに載っていたりしています。
2 保護ドクターとしての獣医師
このタイプの先生や動物病院は、弱い立場におかれた動物や、人間との関係を向上させる方向で働かれています。動物の社会的な立場や地位を良くしようとされている先生方です。一見、口数が少なく、話しかけにくい雰囲気がある場合もありますが、それはいつも「何をすべきか?」考えておられることが多いからです。一緒に、そのような活動に参加されたりすると、世界が広がると思いますし、自分が大切にしたいと感じるような動物の役にも具体的に立てるようになります。
<このタイプの先生の見分け方>
わりと、ホームページはさっぱりと地味な場合が多いかもしれませんが、プロフィールや院長紹介などをみると、野生動物保護獣医師会会員とか、CAP活動、殺処分を止めるとか、書かれていることが多いです。プロフィール、院長紹介などをチェックしてみてください。
3 専門的高度医療を目指す獣医師
循環器(心臓)、整形外科など、専門の高度医療を目指されている先生方です。自分の飼育している動物がその分野の病気にかかった時は、そのような獣医さんにかかると、高度な診療が受けられることが多いです。
<このタイプの先生の見分け方>
自分の目指される分野の研修やトレーニングを受けておられますので、プロフィール、院長紹介のページで、そのような記載がなされている場合が多いです。また、専門分野で多い病気の診断基準、治療法、症例、機器類を載せておられる場合が多いです。
4 検診・総合重視型の獣医
このタイプの獣医師や動物病院は、困った病気をシステマティックに(体系的に、もれなく)検査することで、幅広い原因究明と治療を行うということを重視されています。
動物病院は費用が自己負担なため、多くの獣医がどうしても最低限の検査で治療することを考えます(それでも全額負担になりますので高いですが)。ですが、その故に、予想外の原因を見落とすことも起きやすくなります。それを、できるだけ防ぐ方向を目指されている病院と考えていいでしょう。
<このタイプの先生の見分け方>
幅広い検査が可能な機器類が置いてありますので、やや広めの鉄筋コンクリート造りなど機能的な建物が多いです。また、ホームページをみても、多くの検査機器類が紹介され、詳細な検査が可能なことがわかるつくりになっている場合が多いです。
5 代替補完医療を目指す獣医師
このタイプの獣医師、動物病院は、一般的な獣医治療以外の治療を行います。針灸、アロマテラピー、漢方、ハーブ、アーユルベーダなどです。個性的で、ユニークな先生も多いです。また、代替医療には200種類以上の分野がありますので、その先生の得意分野の確認が重要です。
<このタイプの先生の見分け方>
一般の動物診療と代替診療の配分(バランス)が、その病院ごとにかなり違います。単に、漢方を補足的にだすところから、ほぼ代替療法のみというところまであります。これは、ホームページを確認すると、一般治療と、代替医療の紙面の割きかたをみることでおよそのことが推測できるかもしれません。
6 地域のかかりつけ医(ホームドクター)という獣医師
堅実に、地域に根ざして診療を行われている先生です。わりと昔ながらの伝統的な日本の動物病院で、件数的には一番多いかもしれないです。もっとも標準的な日本の動物病院といえると思います。近くで行きやすいです。
<このタイプの先生の見分け方>
ホームページを持たれていないか、持っておられてもあまり手を加えられていない先生が多いかもしれないです。
7 格安獣医師
このタイプの獣医師(アニマル・クリニック)は、とにかく安いです。無駄な家賃や機器類返済が起きないように行われています。治療も必要最低限でとどめられることが多く、高度な治療が必要なときは、紹介などの方式をとられる場合もあります。診断もクイックです。
<このタイプの先生の見分け方>
とにかく安いです(笑)。ただ、最近は、動物を家族と考えられる方が増えているため、十分な診断・治療が行われないということで、あまりみかけなくなった印象があります。このタイプの先生はホームページもお持ちになられていませんので、口コミで探す感じになります。
8 成功者イメージを追う獣医
ごくまれだと思うのですが、なんだかとても成功したイメージにこだわる獣医の先生がいます(笑)。大きな建物に高度そうな診療機器を備え付けています。3タイプ、4タイプの獣医師は必要な高度医療を満たすために必要な建物と機器をそろえますが、一見、非常に似ているのですが、治療への情熱からでは残念ながらありません。「すごいですね~」といわれると異常に喜びます。あきらかに、本来の獣医師が目指す方向とは違うんじゃないかと思いますが、形だけ高度医療という病院も、たまにあるかもしれないです(苦笑)。
<このタイプの先生の見分け方>
1~6のタイプの先生と、8のタイプの先生の違いは、診断と治療過程の緻密さが一番わかりやすいと思います。1~6の獣医師は、診療における慎重さと緻密さが見受けられることが多いと思います。

8タイプの獣医(動物病院)の、どのタイプがお好みだったでしょうか?

いままで、なんとなくで選んでいなかったでしょうか?自分にとって良い獣医とは、「自分の求める理想」と「動物病院が目指している診療スタイル」がまず合致していることです。

良い獣医師(動物病院)と めぐりあわれることを祈っておりますネ!

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獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

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