
ビズラ
犬種の特徴
細身のビズラは一見華奢に見えますが、無駄がない筋肉質のがっしりした体型をしており、狩り場では俊足のハンターで、優れた耐久力を持ち合わせています。中型で、体重はやや軽めですが、引き締まった体格は美しさを感じられます。
短く滑らかな被毛は密集してはえており、悪天候などから体を守る役割を果たしています。耳の被毛は、絹のように薄いです。また、被毛が赤褐色をおびた金色をしているのもこの犬種の特徴のひとつです。
ビズラは、狩りをするために生まれてきたともいえる犬といえるほど、歩き回っても疲れないだけのエネルギーを持った活発な犬種です。おとなしく愛情こまやかな性格で、感受性が豊か。屋外で遊ぶのが好きで活動的な飼い主にぴったりの犬種といえます。
この犬の歴史
ビズラの祖先犬は、約1000年前、中央ヨーロッパを遊牧していたマジャール族が、ハンガリーに定住したとされる頃、彼等が野鳥や小動物のハンターとして飼育していた土着犬種がビズラの始祖犬と考えられています。
さまざまな動物が生息していたハンガリーの平原に暮らす人々は、鳥類の居場所を指し示したり回収できる上に、小動物を藪のなかまで入ってすばやく追跡できる、万能の猟犬を求めていました。このような地で求められる猟犬は、忍耐強い走力と優れた嗅覚、獲物に気付かれずに近付く注意深さを求められました。ビズラはこれらの作業に一級の能力を発揮し、加えて主人に忠実で、かつ良き家庭犬でもありました。そして、ビズラは理想的な猟犬として、18世紀までにはその地位が確立され、男爵や将軍に好んで飼われていました。
しかし、19世紀末にはその頭数は激減してしまいます。その後、12頭ほどの優秀なビズラが発見され、その犬たちを交配させることによって次第に数が増え始めるようになります。加えて、第二次世界大戦がビズラを世界中に広めるきっかけとなりました。というのも、ロシアの占領から逃れるために、1945年ハンガリーの人々はこの犬たちを連れてドイツ、オーストリア、イタリア、チェコ、トルコなどヨーロッパの国々へと広がりました。1950年代には海を越えてアメリカにも渡り、アメリカでは、ビズラの洗練された外貌と秀でた狩りの能力が高く評価され、1960年にはAKCに認定されることになります。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | 特にありません。 予防として、股関節検査をしておくことをおすすめします。 |
---|