
写真:Sannse
プーリー
犬種の特徴
プーリーは、モップのような縄状の被毛が特徴的。中型サイズで、いくらか引き締まったボディは、全体的にたいへん筋肉質な犬種です。かけ足がとても速く、持久力も持ち合わせています。
どんな天候の下でも作業ができるプーリーは、羊毛のように柔らかく、密生してはえている下毛と、ウェーブかややカールがかっている上毛との二層構造の被毛 で覆われています。プーリーの被毛は幼犬時には房状ですが、成長に従い自然にまかせた状態では下毛が上毛にもつれ込み、縄状によじれて垂れ下がっていきます。
物覚えの良い知的なプーリーは、エネルギーに満ち溢れていて、毎日運動しなければ気がすまない犬種です。動作も機敏。好奇心旺盛で、いつも忙しそうに動きまわって過ごすことを好みます。ユーモアがあり愛嬌のある性格です。
この犬の歴史
プーリーの起源は、1000年以上前に中近東の遊牧民(マジャール族)によってハンガリーに持ち込まれた犬だと言われています。
牧羊犬としてのプーリーは、羊の背中に飛び乗って羊の動きを変えさせるといったことまでやってのける、大変すばしこい犬でした。また、黒い被毛で覆われていたおかげで、羊の群れのなかに紛れ込んでも羊飼いたちは一目でこの犬を見分けることができました。
16世紀になると、オスマン帝国の侵略によってマジャール族が大量に殺害され、ハンガリーには、西ヨーロッパから移民や羊、そして犬たちが続々と移住してきました。連れてこられた犬たちは、もともとこの土地に残っていたプーリーと異種交配し、そのなかで、直立耳を持つテリア・タイプの犬と交配させて誕生した犬がプーミーと呼ばれることになり、このプーミーとプーリーがさらに異種交配されることになり、結果的にもともと持っていたプーリーらしい外貌がほとんど失われてしまうことになってしまいました。
1900年代初めに本来のプーリーを復活させる運動が始まり、最初のスタンダードが1925年に記述されることになります。
ちょうどその頃、プーリーのサイズは多様化していき、警備などを担う大型犬から家畜の管理などを担う中型犬、そして小人に例えられる小型犬まで、さまざまなサイズの犬が登場していました。そのなかで愛犬家の中でもっとも人気を得たのが中型サイズのプーリーだったため、伝統的な牧畜犬の代表格として評価されました。
1935年に、アメリカの農務省が、牧畜犬を改良するために数頭のプーリーをハンガリーから輸入します。この改良の試みは第二次世界大戦によって中断してしまいますが、アメリカ国内では、プーリーの評判が人々の間に徐々に広まるようになりました。そして1936年、AKCがプーリーを犬種として認定することになります。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | 股関節形成不全 予防として、股関節検査・眼科検査をしておくことをおすすめします。 |
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