
写真:Pleple2000
アナトリアン・シェパード
犬種の特徴
身体は、体力のいる仕事にも十分持ちこたえられるような頑丈な体に作られていまアナトリアン・シェパードは、優れた機敏性と強力な忍耐力、力強く、たくましい体格をしています。がっしりとした骨格と大きめの頭部が特徴的です。
アナトリアン・シェパードは、飼い主や、家族には忠実である一方、見知らぬものに対しては警戒心が強いことで知られています。単独で牧羊を遂行するよう育てられてきた犬種なので独立心が強く、時に飼い主の命令に従わないこともあります。
この犬の歴史
アナトリアン・シェパードは、古代から警備犬として活躍し、人々に奉仕する作業犬として長い歴史を持っています。
当時、家畜を守る存在として、遊牧民たちから大切に扱われていました。
そして遊牧民や家畜と一緒に広範囲に渡って移動していく過程で、この犬種はその大きさ、被毛のタイプ、被毛の色などにおいて、捕食者(オオカミ、クマ、ジャッカル、チーターなど)から気づかれにくいよう、なるべく家畜と同じ被毛色を選択繁殖した結果、ヒツジやヤギに見られるようなホワイトクリーム系統の色が多くなっています。
しかし、忠誠心や独立心、また勇敢な性質といった特徴は変わることなく、この犬種に脈々と引き継がれていくことになります。
実は、この犬種を「羊飼い」という意味の「シェパード」と呼ぶのはある意味で間違っているのかもしれません。トルコ語での名前も「コバン・コペック(牧羊犬)」となっていますが、もともとこの犬種は、羊の群れを移動させたり、管理したりする仕事をこなしていたわけではありませんでした。
1950年に初めてこの犬種がアメリカに上陸し、コヨーテなどの害獣から家畜を守る番犬としてみるみるその能力を発揮していくことになりますが、ほとんどの愛犬家たちは、依然としてこの犬種の存在を知らないままでいました。
1970年代後半から1980年代にかけて、ようやくアナトリアン・シェパードが、広くさまざまなところで見られるようになりますが、当時のこの犬種への評価は、外観上の美しさや性質などについてではなく、その実用性について言及されたものばかりでした。ところがその後、人々の間で、忠誠心があり、番犬にもなる犬を飼いたいという要望が高まり、この犬種に注目が集まっていきます。
こうして1996年には、この犬種はAKCに認定されることになりました。ただし、公式な認定ではワーキング・グループに分類されるはずだったのですが、アナトリアン・シェパードの愛好家たちが、この犬種の作業犬としての能力は、ほかのどの犬種よりも優れているといって譲らなかったために、結局「その他のグループ」として分類されることで落ち着きました。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | 股関節形成不全。眼瞼内反症。 予防として、股関節検査・眼科検査をしておくことをおすすめします。 |
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