シャー・ペイ

シャー・ペイ

写真:K9

シャー・ペイ

犬種の特徴

コンパクトで活動的な体型に、ゆるくたるんで、しわのよった皮膚をもっています。この犬種の最大の特徴であるしわは、闘犬競技の際、他の犬に咬みつかれても痛みを感じないといった利点がありました。
胸は広く、背は短い、頭部は、体のバランスに対して大きいです。

シャー・ペイの被毛は、非常に粗く、ピンと立った直毛となっています。 毛色は、全身一色で、ブラック、レッド、明るいフォーン、クリームです。ホワイトのマーキングがはいっているのはあまり好ましくないといわれています。

たるみのある体のしわやユニークな表情が人目を引きます。悲しそうな表情にみえますが、性格は明るいです。堅実で、独立心の強い性格の持ち主です。献身的で、常に家族を守ろうと努力します。見知らぬ人に対しては控えめですが、警戒心をくずしません。

この犬の歴史

中国原産のシャー・ペイは、漢の時代(約紀元前200年頃)以来、中国南部の田舎に生息していたといわれています。
シャー・ペイの起源については明確な根拠は無いが、体形からチベタン・マス ティフが祖先と考えられています。
シャー・ペイとチャウ・チャウが、同じ濃い藍色の舌を持ち、同じ中国を発祥の地としていることから、ふたつの犬種は共通の祖先犬から派生しているのではないかと考えられています。

古くから、農民たちの作業を手伝ったり家畜の見張りや番犬として、またイノシシ狩りで猟犬を務めたり闘犬競技に出場したりと、とき多方面で活躍していたようです。食肉用としても飼育されていた時期もあるようです。

共産主義国家になった中国では、都市部周辺のほんの一部の地域を除いて、ほとんどの犬は始末されてしまいましたが、何頭かのシャー・ペイがイギリス領の香港と台湾で繁殖され、1968年に香港ケネルクラブで犬種として認定されることになります。

1973年、数頭のシャー・ペイがアメリカに持ち込まれ、この犬種が絶滅の危機に陥りそうな状態だと警告する記事が掲載され、この犬種が世界的に非常に珍しい犬だということが人々の間に広まり、愛犬家たちがこぞってシャー・ペイを手にいれようとしたのです。1991年にAKCが公認しています。こうして、シャー・ペイは、絶滅の一歩手前から、一気に表舞台へと踊り出ることになりました。それ以来、現在でもシャー・ペイは独特のたるんだ皮膚とたくさんのしわを持った犬種として人々に親しまれ、アメリカでもっとも特徴的な犬種のひとつとなっています。

かかりやすい病気

気をつけたい病気 眼瞼内反症、股関節形成不全、皮膚病
予防として、股関節検査・眼科検査をしておくことをおすすめします。
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獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

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