
ブーヴィエ・デ・フランダース
犬種の特徴
ブーヴィエ・デ・フランダースは、筋肉質のがっちりした大きい体つきの犬種で、牧畜犬・牽引き犬・警備犬など、さまざまな役割を果たすことができ、機敏に動けるすばらしい運動力と、粘り強 い忍耐力を兼ね備えています。四角ばった体型をしており、くしゃくしゃの長い被毛におおわれた外観が特徴的です。
硬くて粗い被毛は、頭部にはアクセントとして、顎ひげや口ひげがあり、また指の間にも被毛がはえています。
一見クールにみえますが、頼りがいがある、とても素直で周りの人々にもよく気を使う性格です。飼い主にも忠実で、子供にも親切です。見知らぬ人に対しては距離を置き、勇敢で家族を守る気持ちの強い犬種です。
この犬の歴史
ブーヴィエ・デ・フランダースの起源は古く、16世紀から17世紀にかけてベルギーと北フランスの平原や南西フランドル地方からの広大な農場で、家畜の群れを誘導する牧畜犬として、農業経営者や家畜卸商の下で働いていました。「ブービエ」とは、フランス語で「牛飼い」を意味します。
この犬種はさまざまな作業をこなせる農場犬として、牛の群れを誘導する仕事の他にも、家畜を守ったり農場を警備したり、荷馬車を引っぱる運送犬として使われていました。
生活の中でさまざまな用途に合った作業犬が必要だったため、毛色や大きさなどにいろいろなタイプが誕生することになりました。結果的に、このことは、この犬が血統や美しさではなく、作業犬としての能力で繁殖されてきたことを物語っています。
ブーヴィエ・デ・フランドルはポピュラーな犬種となり人気が徐々に上昇し、第一次世界大戦中には、救急時に運搬したり情報を伝えたりする犬として活躍していました。戦火に巻き込まれて、多くのブービエが命を落としてしまいますが、優秀な能力を持ったブービエが、ベルギー軍の獣医師のによって、わずかではありますが助けられ、繁殖が始められました。そのなかの一匹が、ヨーロッパ各地で開催されていたドッグショーで数々のチャンピオンに輝いた伝説の雄犬であり、現在のブービエに流れる血統に多大な影響を与えました。
1922年にこの犬種のスタンダードが改訂され、より魅力に富んだブービエのタイプが明確に決定され、ここで純粋なブービエを形成する基礎が築かれることになります。1930年代に、ブービエは初めてアメリカに渡りました。
優秀な牧場犬で、番犬として役立つばかりでなく、警察犬や盲導犬としても能力を発揮しています。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | 股関節形成不全 予防として、股関節検査をしておくことをおすすめします。 |
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