
バセンジー
犬種の特徴
胴の長さと体高が同じという正方形に近いスマートな体型のパセンジーは、スラッとした長い肢が印象的な犬種です。しっかりした骨格をもち、長い四肢を高く上げて、とても早く美しく歩きます。頭部には皺があり、耳はピンと立ち、尾はかたくしっかりとカールしています。
またバセンジーは「吠えない犬」として有名ですが、ヨーデルにも似た風変わりな地声を出します。被毛は、短く絹糸状のとても柔らかい被毛をしています。
利口で、好奇心が強く、独立心に富み、愛情溢れた性格の犬種です。主人には忠実ですが、見知らぬものには警戒心を示す傾向があります。
この犬の歴史
最も古い犬種のひとつとして知られるバセンジーは、古代エジプトのファラオにバセンジーが献上されたと言う記録が残っており、遺跡から出土する美術品や壁画を見てもバセンジーが古代エジプトで保護されていた事が考えられます。エジプト王国滅亡後は、アフリカのコンゴでピグミー族と共に暮らしていたところをイギリスの探検家達に発見されました。初期の探検家たちは、部族や場所にちなんでこの犬種を「ザンデ・ドッグ」や「コンゴ・テリア」などと呼んでいたようです。
当時、アフリカの部族たちは、鳴き声を立てないため狩猟犬として優れていたバセンジーの首に大きな鈴をつけ、集団で獲物を追いかけさせ、仕掛けた罠に獲物を追い込むという狩りをしていました。バセンジーとはスワヒリ語で「野蛮な」の意味や、「bush thing」(藪のもの)という言葉から来ているという説などがあります。
19世紀後半から20世紀前半にかけて、この犬は何度もイギリスへ持ち込まれようとしましたが、いつもジステンパー(伝染病)にやられてしまい、失敗に終わっていました。1930年代になってようやく何頭かがイギリスに輸入され、イギリス版バセンジーの基盤となりました。バセンジーが愛犬家に注目されたのはこの犬種が「吠えない」ためで、この習性のために有名になりました。
「バセンジー」(BUSH THING)という名前はこの時期に付けられたようです。この輸入犬はイギリスの人々の高い関心を集め、さらにアメリカでは1950年代にバセンジーが登場する映画や本が製作され、その人気はうなぎ昇りとなりました。
1980年代、アメリカでバセンジーにとって大変重要な2つの出来事が起こりました。
まず、遺伝性の病気に対抗するために、アフリカから新しいバセンジーが持ち込まれ、今までのバセンジーにはなかった色やパターンがみられるようになったことでした。2つめは、これまで身体の構造や狩りの仕方から、サイトハウンドには適さないとみなされていたこの犬種が、アメリカン・サイトハウンド・フィールド協会からサイトハウンドとして認められ、ルアーコーシング(擬似餌を追いかける競技)への参加が許されたことでした。それによってコンゴとイギリス以外にもこの犬種が知られるようになりました。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | ファンコニ症候群(近位尿細管の欠陥) 進行性網膜萎縮 予防として、眼科検査、ファンコニ症候群の尿検査をしておくことをおすすめします。 |
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