
トイ・マンチェスター・テリア
犬種の特徴
トイ・マンチェスター・テリアは、スタンダード・マンチェスター・テリアを小型化した犬種です。バランス良いスリムな体格の持ち主で、体高より体長がやや長い胴体と、背中のアーチがかかったラインと、ピンととがった立っている耳は先端がとがっているのが特徴的です。
被毛は、短く、なめらかで光沢があり、ブラックの毛色が、鋭敏な雰囲気をかもしだしています。
トイ・マンチェスター・テリアはテリア種の血を引いていることもあり、けんか好きで、狩りの本能に長けていますが、どちらかというと寛容で、感受性の強い犬種といわれています。 少し攻撃的になるところもあるのですが、飼い主には忠実です。
この犬の歴史
トイ・マンチェスター・テリアの祖先犬ブラック・アンド・タン・テリアは、イギリス原産のすばらしい犬種のひとつで、ブラック・アンド・タン・テリアにウィペット、グレー・ハウンド、イタリアン・グレー・ハウンドなどを交配して作出されたと考えられています。16世紀からネズミをしとめることにかけて、右に出るもののいない犬として高く評価されていました。
この犬種は、家をネズミから守るだけでなく、限られた時間内でどれだけのネズミをしとめられるかを賭けて楽しむ「ネズミ早殺しレース」でも活躍し、また、イギリスのマンチェスター地方には労働者階級の人々が多く、彼らはこのような「ネズミ早殺しレース」や「ドッグレース」といった人々に娯楽を提供する犬としても大切にされていました。
しかし、この犬種は、1923年に正式に犬種として認められるまでは、ブラック・アンド・タン・テリアと、祖先が同じであまり差異がない犬として扱われることになります。
マンチェスター・テリアは、改良の途中でさまざまな犬種と掛け合わせられました。そのなかでも特徴的だったのはイタリアン・グレーハウンドでした。この交配によって、この犬種のサイズの幅がかなり広がることになります。
1881年初めのスタンダードには、既にトイ・タイプのバリエーションが記されています。その後、より小さなサイズの犬の人気が高くなってきたため、繁殖家たちはさらなる小型化を目指して同系交配を進めました。その結果、体の弱い、虚弱体質の犬が増えすぎてしまうことになります。
その後、繁殖家たちは、小さすぎないミニチュア・サイズを作る努力をし始めます。そうして誕生したのがトイ・マンチェスター・テリアでした。
最初、AKCはマンチェスター・テリアとトイ・マンチェスター・テリアを異なる犬種ととらえ、この2つの犬種の間でなされる交配は異種交配だとみなしていましたが、1959年になると、この2つの犬種を1つの犬種のなかの2種類のバリエーションだという見解を示します。
マンチェスター・テリアとはサイズが異なるだけでなく、トイ・マンチェスターには断耳が許されていません。ちなみにトイ・マンチェスター・テリアは「イングリッシュ・トイ・テリア」という名前でも知られています。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | 皮膚疾患 膝蓋骨脱臼 てんかん 予防として、眼科検査、膝関節検査をしておくことをおすすめします。 |
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