ゴールデン・レトリーバー

ゴールデン・レトリーバー

ゴールデン・レトリーバー

犬種の特徴

ゴールデン・レトリーバーは、陸の上でも水の中でも、重い獲物をくわえて運ぶことができる、力強く筋骨たくましい大型犬です。大きな野鳥の回収犬(レトリーバー)としての役割のため、「あご」の構成が重要視され、犬種標準においてシザーズバイトと完全な歯列が要求されています。
体高より体長がやや長く、幅が広くて強い頭部と、丈夫な首、発達した前肢と後肢を持ち、四肢を滑らかに動かして、大地を踏みしめ るように力強く歩きます。

被毛は厚く、よく水をはじき、適度な柔らかさをもっています。毛色は。光沢のある美しいゴールド。

飼い主に忠誠を尽くし、やさしく愛情ゆたかで、また注意深い性格なので、子供相手や、いぬの犬の遊び相手としても理想的な犬種です。

この犬の歴史

ヨーロッパの多くの国では狩猟はスポーツとして現代に受け継がれていますが、少なくとも1800年代には食糧調達の手段でした。持久力があり、水中での回収を得意とするリトリバー犬の作出が盛んとなり、鳥猟分野で用いられるようになって行きます。猟性能の向上のためセッターや水中運搬を得意とするウォータースパニエルの混血も行われました。

19世紀初めには、イングランドとスコットランドでスポーツとしての猟が大流行し、リトリバー犬種はセッター、ポインターなどと同時に使用され、獲物の回収に徹しました。
19世紀中頃、ロシアのサーカス団がイングランドで公演した際に、スコットランドの貴族がサーカス団の持っていた犬の能力に驚き、これを買い求めて持ち帰り、セッターと混血して作出したのがゴールデン・リトリバーの起原だと言う説がありますが確かな証拠はありません。

ウェーブのかかった黄色い被毛に覆われたレトリーバーであるヌース(小型のニューファンドランド犬と、猟師たちに使われていた初期のラブラドールを祖先とする)を、ツイード・ウォーター・スパニエル(カーリーな被毛が特徴の、当時人気の高かった茶褐色のレトリーバー犬)を掛け合わせました。

その後、この犬種は他の黒いレトリーバーやツイード・スパニエル、セッターやブラッドハウンドと慎重に交配されていきます。初めはフラット・コーテッドの中の「黄色い犬」とみなされていましたが、1912年には、フラットとは別の犬種として、イエロー・レトリーバーまたはゴールデン・レトリーバーとして承認されることになりました。

1900年頃に、この犬種を何頭かアメリカに持ち込みましたが、AKCは1927年になるまで、この犬種を独立したひとつの犬種として認めませんでした。

ゴールデン・レトリーバーは狩猟能力が非常に高かったので、基礎となる犬と慎重に交配されて、その能力にますます磨きがかかった犬種へと改良されていきました。その後、ペットやショードッグ、服従競技に優れた犬種として人気が高まっていきました。

このような歴史を経て作られたこの犬種は、流星のように一瞬にして大変な人気を集めることになります。
我が国に移入された多くのゴールデン・リトリバーは家庭犬として飼育されており、猟に使われる例はほとんどありません。ゴールデン・リトリバーの従順温和な気質や優れた嗅覚は、盲導犬や麻薬探査犬としても能力を発揮します。

かかりやすい病気

気をつけたい病気 股関節形成不全、
予防として、股関節検査、肘関節検査をしておくことをおすすめします。
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獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

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