カナーン・ドッグ

カナーン・ドッグ

写真:Matilda

カナーン・ドッグ

犬種の特徴

カナーン・ドッグは全体的に筋肉質で、力強さと機敏性、さらに忍耐力を兼ね備えた中型サイズの体型をしており、正方形に近い胴体を持っています。その動きはまるでスポーツ選手のように優雅で、常に大地を踏みしめるようなキビキビとした足取りで走り回り、とっさに走る方向を変えたりする瞬発力にも優れています。

短くて柔らかい下毛と、体の表面に沿ってはえた硬い上毛の二層構造になっており、上毛は少しだけひだ状になっているのが特徴的です。この被毛のおかげで、厳しい気候でも活発に動き回ることができ、昼間と夜の温度差が激しい天候の土地でもうまく順応することができます。

忠誠心があり、飼い主に対する忠実で、さまざまな仕事をこなせる用途の広い犬種です。また、知的で物覚えがよく、飼い主を喜ばせることが大好きな性格です。生まれ持った警戒心の強さから、見知らぬ人には平然とした態度で距離を置き、自分の身内である家族を守ろうと必死になることがあります。

この犬の歴史

カナーンドッグの起源は古く、紀元前2000~2200年の聖書時代から生き抜いてきたと考えられる古い犬種といえます。
この犬種は、聖書に記されている土地カナーン(地中海とヨルダン川、死海に挟まれた地域)で発祥した犬で、ヘブライ語で「ケルヴ・カナーニ(カナーン地方の犬)」という名前で呼ばれていました。

約2000年前、イスラエル人がローマ人によって国を追われ、方々へと散り散りに分散させられた時、この土地に住んでいたカナーン・ドッグは取り残されて 野生化し、ゼブルン沿岸の平原やネゲヴ砂漠で細々と生き残っていました。ある時、アラブ系遊牧民がこの野生の雄の子犬を捕まえ、家畜の護衛や管理をさせよ うと育て始めます。

20世紀に入り、この雑種犬に注目したのは、イスラエル人で犬の権威でもあるルドルフィーナ・メンゼル医師でした。
彼女は1930年代、ハガナー (1920年から1948年までの、英国支配下にあったパレスチナ委任統治期間の間のユダヤ人指揮の秘密軍事組織)の依頼を受け、主に軍用犬を作出するために、砂漠に住む雑種犬の研究を開始しました。
さっそく何頭かのカナーン・ドッグが捕獲され、分類・観察が始まりました。犬たちはすぐに優れた能力を発揮しました。1934年からさっそくブリーディングが開始され、軍用犬や赤十字のサポート犬、家庭の番犬として利用されたのです。

第二次世界大戦中には、軍の見張り犬や情報伝達犬、地雷探知犬、赤十字の補助犬、負傷兵の居場所を探し当てる探索犬として広範囲に渡る華々しい活躍を見 せ、戦後は盲導犬として人々に奉仕する役目を果たすことになります。これほど短期間で、これだけ人々の役に立つ仕事を忠誠心を持ってこなせるようになっ た犬は、カナーン・ドッグをおいて他にはいなかったでしょう。

1965年、カナーン・ドッグは初めてアメリカに渡ることになります。しかし、伴侶犬として最高の性質を持っていたにもかかわらず、見た目があまり華やかでなかったこともあり、多くの人々はこの犬種のよさに気がつきませんでした。それでも徐々にではありますが人々の注目を集めるようになり、ようやく 1953年にはイスラエルケンネルクラブ、1966年にはFCI、そして1997年にはAKCの公認を受けました。1997年、AKCのハーディング・グループに登録されることになりました。

現在、カナーン・ドッグは、ショーに参加することで多くの人々から注目されるようになり、ペットとしての新しい時代を迎えようとしています。忠誠心に溢れ勇敢なペットを探している方々は、この犬種の夢中になるでしょう。

かかりやすい病気

気をつけたい病気 特にありません

獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 一般社団法人ペットフード協会 会員

ペットフード公正取引協議会 会員

The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

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