オーストラリアン・キャトル・ドッグ

オーストラリアン・キャトル・ドッグ

写真:Zingpix

オーストラリアン・キャトル・ドッグ

犬種の特徴

体全体が筋肉質でひきしまり、たくましくコンパクト、よく均整がとれ、機敏な動作が頼もしい。また、忍耐力にも優れた犬種です。
賢く、丈夫で、独立心が旺盛な犬種です。また、不屈の精神を持っている犬種でもあるので、時々頑固な面を見せることもあります。家族にはよく慣れて忠実に従う犬ですが、他の犬や他の人に対しては、内気で用心深いために、番犬として最適です。子犬からのしつけが必要とし、人と生活することを教える必要があります。

この犬の歴史

19世紀の中頃、イギリスからオーストラリアに持ち込まれた牧羊犬を改良してできた犬だといわれています。
牛を管理する能力を有する使役犬をヒーラーと呼び、オーストラリアン・キャトルドッグこそまさしくこの目的のためにつくられた、多くの犬種と野生種が交配された犬種です。
オーストラリア(現在のシドニー付近)が植民地となっていた頃は比較的小規模な牧畜が人間の居住地に近い所で行われており、牛は人や犬にも慣れていました。

1800年代始め頃、オーストラリアでは、広大な土地を牧畜に利用し始める動きが起こっていました。しかし、この大陸の牛は荒っぽく半野生化してしまい、牧畜犬では歯がたちませんでした。
ヒーラーは牛を寄せ集め、移動させる作業がこなせなければならないのですが、ヨーロッパ由来の牧畜犬では半野生の牛を制御するのは困難でした。

1840年、ホールという人物が、何頭かのスムースのハイランド・コリー(ブルー・マール)とディンゴ(野生化した犬)を掛け合わせて、「ホールズ・ヒーラー」という血統を誕生させました。なかでも影響を与えることになったのは「ベントリー」という名前の犬でした。
この犬は、現在のオーストラリアン・キャトル・ドッグに見られる額の白印を最初に刻んだ犬として知られています。羊の群れを統括する牧畜犬などと交配させていき、他の繁殖家たちも、ホールズ・ヒーラーとブル・テリアやダルメシアン、またブラック・アンド・タンのケルピーやコリーやケルピーが持っている群れを制御する本能と、ダルメシアンの常識的で高い警護能力を受け継ぎ、忍耐強く、勇敢で、ディンゴをおとなしくしたようなタイプの犬が誕生しました。
そして、荒れた土地でも長い時間移動し続けることができる犬、また、吠えると荒っぽい牛がさらに興奮してしまうため、吠えることなく牛の群れをコントロールできる犬種になりました。
また、独特な被毛パターンもこの時に生まれました。

この犬種は、クィーンズランド州の牧畜業においてますます欠かせない存在となり、「クィーンズランド・ブルー・ヒーラー」という名前まで付けられることになります。その後、オーストラリアン・ヒーラーという名前で知られるようになり、後にオーストラリアン・キャトル・ドッグと呼ばれるようになりました。

かかりやすい病気

気をつけたい病気 股関節形成不全。聴覚障害。進行性網膜萎縮症。
予防として、股関節検査をしておくことをおすすめします。
  line-friend-08-02

獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

この著者の最新の記事

関連記事

  1. 犬の腎臓病に良い食事

    2022-10-6

    犬の腎臓病に良い食材は?腎臓病の原因や症状についても解説

    犬の腎臓病に良い食材は?食べていいものを解説 腎臓病(腎不全)の犬には、腎機能に負担をかける栄養素…

今の時期注目のコラム

  1. 犬腎臓病 水
    犬の腎臓病と水分量、飲水のあげ方について解説 慢性腎臓病の症状のひとつに、水をたくさん飲む「多飲」…
  2. 犬腎臓病食
    犬の腎臓病の食事を獣医師が徹底解説 腎臓病の犬は、腎機能の負担を避けるため、さまざまな栄養素を制限…
  3. 犬腎臓病 手作り食
    犬の腎臓病の食事は手作りできる? 腎臓病の手作り食を獣医師が解説 犬の腎臓病の食事を手作りで用意…
無料小冊子プレゼント
ページ上部へ戻る