
腎不全(じんふぜん)
腎不全は、腎臓が血液から老廃物を取り除くことができなくなっているため、血液中の毒素が徐々に蓄積される状態です。腎不全の犬は尿毒症中毒の症状を示しています。
腎不全はその経過によって急性腎不全と慢性腎不全に分けられ、それぞれ異なった症状を示します。
急性腎不全は、尿量が急激に減少したり、全く出なくなったりするなど、食欲不振、吐き気や嘔吐の症状がみられ、これらの症状は数時間から数日のうちに急速に悪化します。これを見過ごすと、高カリウム血症や尿毒症を引き起こし、命を落とすことがあります。
慢性腎不全は、腎臓の3/4以上の機能がすでに低下した病態で、この症状は徐々に進行していきます。
初期は尿の色がやや薄くなるほかは、ほとんど無症状です。そのうち水をよく飲むようになり、その分尿の量もしだいに増えてきます(多飲多尿)が、そのほかに目立った症状は特にありません。
病態がさらに進むにつれ、嘔吐や食欲不振、体重の減少、貧血などの症状が見られます。最終的には体内の老廃物や毒素を排泄ないので、尿毒症におちいり、症状が悪化するだけでなく、嘔吐や下痢、痙攣や昏睡などの神経症状がみられたりするようになります。