隠れ熱中症に注意!

<あなたの愛犬は大丈夫?>

なんだか最近愛犬の食欲がない…。
元気もない…。

『どうしたのだろう?夏バテ??』

ワンちゃんたちにも夏バテはあり、
特に6月、7月、8月に多く発生します!

水は飲むけれど、食欲はなく、元気もない、
そして寝てばかり…
さらに吐いたり、下痢もと聞くと、獣医としてはドキッとする症状で、命の危険まで頭をよぎります。

愛犬の元気がない、食欲低下といったものは
わりと頻繁に起きる事なので、あまり深刻にとらえない方もいらっしゃいますが、
時として重大な病気の場合もあります。

特に覚えておきたいのが『隠れ熱中症』です。

私たち人間も毎年熱中症と診断される人が30~40万人ほどいます。そのうち救急車で運ばれる方は毎年4~5万人いらっしゃいます。

そう、信じられないほど多い方が熱中症になっているのです。

そのひとつの要因としては、熱中症という病気が、自覚症状がないまま危険なレベルにまで進んでしまうからです。

犬よりはるかに耐熱性に優れた私たち人間ですら、体調がなんだかおかしいなと思った時には熱中症になってしまっているのです。

高温にとても弱い愛犬は、どれほど心配すればいいか想像いただけるかと思います。
そして、愛犬は、人という飼主が高温を除去してあげなければ自分で防ぐ方法がないのです。

愛犬が自分でできることは、
(1)水をいつもよりたくさん飲むこと、
(2)家の中をウロついてできるだけ涼しい場所をみつけること、
(3)できるだけ動かずぐったりとして静かにしておくこと
です。
そして、ご飯を食べる気力もなくなります。このレベルまで行くと水も飲めなくなる子がいます。

熱中症になると体のタンパク質が変質してしまい、
・肝臓が悪くなったり、
・筋肉細胞が破壊され、その中のミオグロビンが腎臓の機能を落とすことをしたり、
・血液が凝固しやすくなるので突然の脳疾患
そして、
・心不全が起きやすくなる(心筋細胞のダメージと血液凝固)
といったことが起きます。
熱中症は犬にとっても命にかかわる病気です!

そうなる前に、愛犬の食欲が落ちたり、元気がない日が続くようでしたら、隠れ熱中症を疑ってあげて下さい。

また、熱中症の症状が見られた場合には、
・犬に水をかける(熱を流す)
・濡れタオルを体にかける(熱を飛ばす)
・エアコンをかける(熱を冷やす)
・脇の下と足の内側に氷をタオルにまいて当てる(血液を冷やす)
などの処置をし、近くの動物病院で治療をしてもらってください。

夏のお散歩はなるべく涼しい、早朝か、日が落ちた夜に連れて行ってあげるのがベストです。

  line-friend-08-02

獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

この著者の最新の記事

関連記事

  1. ic-column05-02-01-ph01

    2015-9-24

    みなさまに感謝

    応援メッセージたくさんありがとう たくさんの応援メッセージありがとうございました。 一通一通…

今の時期注目のコラム

  1. 犬腎臓病 水
    犬の腎臓病と水分量、飲水のあげ方について解説 慢性腎臓病の症状のひとつに、水をたくさん飲む「多飲」…
  2. 犬腎臓病食
    犬の腎臓病の食事を獣医師が徹底解説 腎臓病の犬は、腎機能の負担を避けるため、さまざまな栄養素を制限…
  3. 犬腎臓病 手作り食
    犬の腎臓病の食事は手作りできる? 腎臓病の手作り食を獣医師が解説 犬の腎臓病の食事を手作りで用意…
無料小冊子プレゼント
ページ上部へ戻る