
コリー
犬種の特徴
活発で頑丈なコリーは、力強さ、しなやかさ、そして外見的美しさを兼ね備えた犬種です。また軽やかに、そしてすばやい足取りで歩き、牧畜犬に求められる敏捷さを持っています。
被毛の種類には長毛と短毛の2種類があり、どちらも柔らかく豊富な下毛が密集しています。短毛の上毛は短く、硬く、平らですが、長毛の上毛はまっすぐできめが粗く、特に首のまわりは他の部分よりも長いのが特徴です。
性格が穏やかで優しく、飼い主に忠実なコリーは、万人に愛される犬種といえます。
この犬の歴史
世界最古の職業は羊飼いであったと言う説が本当かどうか解らないですが、羊飼いに携わっていたコリー犬種の歴史は相当に古いといわれています。コリーの起源はその名前の由来と同様、はっきりしたことはわかっていません。ひとつの説として、ボーダー・コリーと同じ祖先を持っていると考えられています。
「コリー」という名前はゲール語の「役立つ」という言葉から由来しているという説があり、イギリスの島々を最初に治めたケルト人たちが有能な牧畜犬として大切にしていたともいわれています。羊を管理したり守ったりする牧畜の仕事は、犬の役目のなかでももっとも歴史ある作業のひとつですが、コリーは険しい地形や厳しい気候条件にも耐え得る強靭な体力を有し、万能の牧羊犬であったといえます。
1860年以前には単なる牧羊犬にすぎなかったコリー・ドッグは、ビクトリア女王がスコットランドを訪問した際に持ち帰り、熱心に後援した事もあって、その優雅な姿やノーブルな顔貌が人々に好まれ、家庭犬として世界中に普及する事になりました。
元来、ラフ(長毛)とスムース(短毛)のコリーが存在していましたが、この二種類はまったく違う交配によって作られた犬種でした。ラフ・コリーはスムース・コリーと比べて比較的小さく、幅広い頭部を持ち、被毛はブラックのみかブラック・アンド・ホワイトでした。
この犬種が愛好家から関心を持たれるようになると、ラフ、スムースともに体高が高くなり、さらに改良が加えられました。
この頃、イギリスのヴィクトリア女王がコリーに関心を抱いたこともあって、その人気は羊飼いの間だけでなく上流階級の間にも広まり、外見の美しさがますますコリーの人気を高めていきました。
1886年までに、現在使われているスタンダードが定められていました。また、アメリカで牧畜がどんどん盛んになったため、コリーは新天地となるアメリカに持ち込まれることになりましたが、牧畜用途以外で注目される事はありませんでした。
1878年にヴィクトリア女王が2頭のコリーを「ウェストミンスター・ドッグ・ショー」に出品したことから、この犬種は再び脚光を浴びることになります。そして、アメリカの上流階級の間でもコリーは注目されるようになり、高級住宅地にはコリーの犬舎が並ぶようになりました。同様の現象が戦後の日本で起こります。
その後、作家であるアルバート・ペイスン・ターヒューンが書いた本によりコリーの人気はさらに高まることになり、たちまち万人に愛される犬種となりました。コリーをもっとも有名にしたのはドラマ「ラッシー」です。ラッシーの登場によって、ラフ・コリーはスムース・コリーを抜いてアメリカでもっとも人気のある犬種となりました。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | コリー眼異常 予防として、眼科検査、聴覚検査をしておくことをおすすめします。 |
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