
写真:Pleple2000
クランバー・スパニエル
犬種の特徴
クランバー・スパニエルは、体高より体長が長く、重心の低い長方形の体とがっしりした骨格の持ち主です。また、狩猟の際、低い茂みの中を容易に動き回れるように、幅広い胸と頑丈な尻を持ち合わせています。
柔らかい絹糸のような白い被毛はまっすぐ密集してはえており、ふさふさと厚く、あまり長すぎません。四肢と、腹部の被毛は長くなっているのが特徴です。
控えめでおおらかな性格の持ち主です。猟犬としては機敏とはいえず、動作はゆっくりしていますが、喜んで獲物を運ぶ働き者です。飼い主に対して献身的な愛情を示し、忠実なペットとなる犬種です。
この犬の歴史
クランバー・スパニエルは、18世紀に作出された鳥猟犬。イギリスのスパニエル犬種の中でも大型の犬種。スパニエル界の貴族とも呼ばれます。クランバー・スパニエルは類を見ない体形や知名度の低さから、近年の育成種と考えられがちですが、スパニエル種の中では最古参に属する犬種です。
この犬種はイギリスで改良されたが、始祖犬はフランスのスパニエルで、ノワイル公爵に飼育されていた犬が基になったと言われていて、バセット・ハウンドを交配して改良したと伝わる説が有望でです。セントバーナードとの混血説もあり、大きな頭部にその風貌を見ることができます。
フランス革命の頃まで、クランバー・スパニエルには名前がなく、フランスのノワイユ公爵が自分のスパニエルの犬舎を、イギリスのニューカッスル公爵の領地クランバーパークに移したことから現在の名前が付けられたといわれています。
イギリスの貴族たちは、気品に富み従順であるため、訓練性能が良く、持久力の強い点が賞賛される反面、体構が大きく短足であるため、動きは遅いけれども鼻がよく効き、回収作業にも卓越していたクランバー・スパニエルに大きな関心を示しました。ただし、特権階級以外がこの犬種を手に入れることを望まなかったため、庶民の間でその存在が知られることは少なかったようです。
その身分の高さにふさわしく、クランバー・スパニエルはもっとも早くからショーに登場していた犬種のひとつです。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | 股関節形成不全 予防として股関節検査・眼科検査をしておくことをおすすめします。 |
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