ダックスフンド

ダックスフンド

写真:Wikimedia Commons

ダックスフンド

犬種の特徴

ダックスフンドは、体長が体高の2倍もあり全犬種の中で最も短足、胴長の犬として知られています。獲物を追って地中の穴の中に潜り込み、その中を思った通りに移動できるように、胴長短足の体型に作られた猟犬。この体型に加えて、獲物を捕える顎の強さや、獲物をしとめるための優れた体力も兼ね備えています。

ダックスフントの被毛には、「スムース」、「ワイヤー」、「ロング」の3種類があります。最も古くからいるのが「スムース」(短毛種)で、光沢のある毛が皮膚に密着して生えています。「ロングタイプ」は滑らかな長毛で、少しウェーブがかかって生えており、「ワイヤータイプ」は、太く硬い毛で覆われ、密集した下毛が体を十分に保護する役割を担っています。

恐いもの知らずのダックスフンドは、好奇心旺盛な犬種です。とても利口で友好的。愛らしい歩き姿と、明るい性格から家庭犬として人気があります。

この犬の歴史

ダックスフンドについては16世紀に資料が発見されており、描かれた木版画には、ダックスフンドのような姿をした長毛の犬が描かれています。そこには「背が低く曲がった足の犬」と書かれていました。また、当時は「穴を掘る小型犬」「ダッケル」「アナグマ犬」などと呼ばれていたようです。

現在の「ダックスフンド」という名前はドイツ語の”dachs”(アナグマ)と”hund”(犬)からきています。

粘り強いハンターともいえるダックスフンドは、地中の巣穴の中にまで獲物を追って入っていき、獲物を外に連れ出して息の根を止めるという狩りをしていました。

ダックスフンドには、3つの被毛タイプと2種類のサイズがあります。初期のダックスフンドは、滑らかな被毛で覆われたスムースタイプでしたが、その後「bracke(ブラッケ)」と呼ばれるミニチュア・フレンチ・ポインターと交配され、さらに害獣をしとめるテリアタイプのピンシャーと掛け合わせられて、徐々に種類が増えていったと考えられています。
スムースタイプのダックスフンドが、スパニエル系とジャーマン・ストベルフンド(鳥猟犬)と掛け合わされて、ロングヘアードのダックスフンドが誕生したともいわれています。

1797年には、既にワイヤーヘアードのダックスフンドが作られていましたが、あまり慎重に交配されなかったようです。現在のワイヤーヘアードのほとんどは、19世紀の終わり頃に、スムースのダックスフンドにジャーマン・ワイヤード・ピンシャーとダンディー・ディンモント・テリアを掛け合わせて作られました。

それぞれのタイプのダックスフンドは、それぞれの地域の地形や天候などを考慮に入れて、その土地の猟に適合した特徴を持たせて繁殖されました。どのダックスフンドもタフで頑強な上、アナグマやキツネや小型の哺乳動物をすばやくしとめる能力に長けていました。

1900年には、非常に小さなサイズのダックスフンドが登場し、ウサギなどの、より小さな獲物を追う猟犬として活躍していましが、小型サイズのダックスフンドのほとんどは、生まれた中で一番小さなサイズの子犬だったり、他の小型テリアやピンシャーと掛け合わされてた犬だったりと、残念ながらどれもダックスフンドの特徴がかけていました。

そこで1910年、ダックスフンドに関する品種改良のための厳しい基準が設けられ、スムースはミニチュアピンシャーと、ロングはパピヨンと、そしてワイヤーはミニチュアシュナイザーと、というようにそれぞれのタイプを他の犬種と交配させることになりました。

近年、ダックスフンドが猟犬に使われる事はほとんどなく、多くの国で家庭用ペットとしての人気があります。アメリカでは、人気のある猟犬となっています。

かかりやすい病気

気をつけたい病気 間板疾患(椎間板ヘルニア)
予防として、眼科検査をしておくことをおすすめします。
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獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

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