写真:Utopialand
シベリアン・ハスキー
犬種の特徴
オオカミのような端正な顔立ちのシベリアン・ハスキーは、ソリ引きに適した力強い中型サイズの作業犬です。胸部はよく発達していて、背中は力強く、長い距離を速度を落とさず移動することができる後肢は、とくに筋肉がよく発達しています。とても持久力に優れた犬種で、アラスカなど北の地方では人々の財産の一部として大切にされています。
ややかためで真っ直ぐな上毛と、柔らかく密集している下毛の二重構造の被毛で、体にぴったりとそってはえています。
見た目は強面ですが、人にはたいへん友好的で、飼い主にも忠実です。好奇心旺盛ですが、警戒心も強い面ももちあわせています。
この犬の歴史
シベリアン・ハスキーの祖先犬ははっきりとわかっていませんが、スピッツ族に属する犬種と考えられています。古くから北東アジアに住むチュクチ族が、この犬をそり犬や、ボート引き、番犬、猟犬として飼育してきたといわれています。遠吠えする声がしわがれることからハスキーと命名された説など犬名の由来はさだかではありません。
アメリカのゴールドラッシュ時代、アラスカ州では、犬は人間の生活の一部として、なくてはならない重要な存在でした。冬はそりを引く犬として、夏はボートを引く犬として、また狩りの助手としても活躍していました。
さらに、犬を競わせるドッグレースが、もっとも人気の高い娯楽となっていました。1909年、このレースに初めてチュクチ族のハスキー犬チームがシベリアから参加することになりました。
この時のシベリアン・ハスキーは、他の犬たちより体が小さくて従順だったため、目立ちませんでしたが、一人だけ、この犬の能力に目をつけたレーサーがいました。彼はシベリアン・ハスキーを70頭輸入し、1910年のレースに向けてトレーニングを始めました。その結果、レースに参加した彼の3つのチームのうち、1チームが1位、もう1チームは2位、さらにもう1チームは4位という結果を出し、シベリアン・ハスキーはこのレースで素晴らしい成績を収めました。
1925年、ノームではジフテリアが猛威を振るっていました。そんななか、彼のハスキー犬チームが、人命を救うために544kmもの距離をリレーして走り通し、血清を運び人命を救いました。この時の名誉を称えたハスキー犬の彫像が、今もニューヨークのセントラル・パークに建てられています。このニュースがアメリカ国内でのシベリアン・ハスキーの知名度をあげることとなりました。
この頃にシベリアン・ハスキーは、まずカナダに持ち込まれてからアメリカへ入ってきていました。
AKCは1930年、シベリアン・ハスキーを犬種として認定しました。第二次世界大戦の間に、たくさんのシベリアン・ハスキーが、アメリカ軍用の捜索・救助チームとして仕事をこなし、人々から称賛されることになりました。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | 特にありません。 |
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