外耳炎からはじまる皮膚病とカユミの原因とは

ic-column01-05-ph01

<外耳炎からはじまった皮膚病 カユミの原因とは>

皮膚病とカユミの原因はたくさんありますが、一番最初の皮膚病のきっかけが「外耳炎(耳)」の場合は、耳で繁殖した病原性酵母であるマラセチアという感染症の診断・治療が役立ちます。このマラセチア菌が皮膚病やカユミ(痒み)を起こします

●耳をよく後ろ足でかいている子
●耳がくさい子
●耳の中が黒っぽい子

などは、耳の中で病原性のマラセチアという酵母菌が繁殖しているかもしれないです。

マラセチアっだけでなく、ブドウ球菌という細菌が繁殖して同じような外耳炎と皮膚症状を起こしている場合もあります。

直接の原因は、マラセチアやブドウ球菌ですが、そうした病気に感染する理由として、犬の免疫力や抵抗力の低下があります

何匹が愛犬を飼育していて、この子だけ耳や皮膚に病気がでるということが起きます。人でも、個人個人で兄弟や家族であっても体の丈夫さに差があるように、ワンちゃんも同じです。1匹ずつ違うのですね。

マラセチアはとても強いので、それ専用の薬用シャンプーと、食事療法を併用されると、効果がでることが多いです。

マラセブという薬用シャンプーが有名です。

ただ、もともと免疫系や抵抗力が弱いので、外耳炎や皮膚炎が起きていますので、薬用治療を止めると、再発する子が多いと思います。

そういう子は、たぶん製法として、

①高温高圧で加工した肉 ②酸化した油 ③穀類の多い食事
にとても弱い傾向があるように感じます。

そのため、ドッグフードをやめて手作り食にされると、皮膚アレルギーが治る子が多いのは、そのためです。

手作り食がすごいのではなく、愛犬が高温高圧で加工された肉に弱いというのが背景と思います。そのため、手作り食で有用な食材と説明されている食材を入れなくても、

①ごはん
②お肉
③油
④少しの炒った糠と塩
の食事で治る子が多いです。

手作り食の欠点として、長期与え続けるとミネラルの過不足を起こして、寿命が短命となる危険性を持つと思いますが、愛犬の免疫力や抵抗力の低下には、高温加熱された肉 の除去が役立つことがとても多くあります。

皮膚のかゆみ、皮膚アレルギー、皮膚炎を持つ子でも、主に外耳炎がきっかけとなったマラセチア菌の感染があると、食事だけでは十分な効果が得られない場合がありますので、食事の変更で効果がでない愛犬には、このような視点でも注意をしてみてあげていただければと思います。

そして、シャンプーなどでマラセチアが良くなったら、良質の食事で健康をとても維持しやすくなると思います。

では、応援しています!

  line-friend-08-02

獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

この著者の最新の記事

関連記事

  1. ic-column05-02-01-ph01

    2015-9-24

    みなさまに感謝

    応援メッセージたくさんありがとう たくさんの応援メッセージありがとうございました。 一通一通…

今の時期注目のコラム

  1. 犬腎臓病 水
    犬の腎臓病と水分量、飲水のあげ方について解説 慢性腎臓病の症状のひとつに、水をたくさん飲む「多飲」…
  2. 犬腎臓病食
    犬の腎臓病の食事を獣医師が徹底解説 腎臓病の犬は、腎機能の負担を避けるため、さまざまな栄養素を制限…
  3. 犬腎臓病 手作り食
    犬の腎臓病の食事は手作りできる? 腎臓病の手作り食を獣医師が解説 犬の腎臓病の食事を手作りで用意…
無料小冊子プレゼント
ページ上部へ戻る