
ポメラニアン
犬種の特徴
ポメラニアンは、丸みを帯びたふわふわのシルエットが愛らしい小型犬。その小さい耳と二層になった被毛、それにクルッと巻いた尾がスピッツの特色とよく似ています。まっすぐ流れるように進み、弾力のある歩き方をします。
被毛は、まっすぐで開立した粗い上毛からなっており、柔らかいく豊富な下毛によって上毛を開立させ、豪華で優雅な姿を見せており、それがポメラニアン独特の風貌を作り出すのに一役買っています。前胸のたてがみのような被毛と、腰回りの豊富で長い毛、ふさふさとした背上の長い尾から、小さいながらも堂々とした風格をかんじさせ、ポメラニアンらしさを強調しています。
いつもコロコロとよく動く毛糸玉のようなポメラニアンは、好奇心が強く、遊び好きで、いっときでもじっとしていない活発な犬種です。見知らぬ人には少し神経質になり、他の犬にはやや攻撃的になる場合もあります。
この犬の歴史
スピッツ族の中でも一番小さなサイズのポメラニアンの祖先は、アイスランドやラップランドの誇り高いそり用犬の大型のスピッツ族サモエドだと考えられています。いつ頃からかは正確にわかっていませんが、ドイツ・ポーランドにまたがるポメラニア地方で徐々に小型化されていったといわれており、その後、イギリスに持ち込まれてからポメラニアンと呼ばれるようになりましたが、この時点ではまだ現在のポメラニアンとは異なり、体重が30ポンド(約14kg)もあり、ほとんどが白い毛色をしていました。実際、日本のスピッツがこの当時のポメラニアンと類似しており、おそらくそこから現在のポメラニアンに発展してきたのではないかとも考えられています。
ポメラニアンは1870年にEKCによって早くも認定されましたが、知名度はあまりなく、1888年にヴィクトリア女王がイタリアからポメラニアンを持ち込んだことをきっかけに、その人気は急上昇していきます。女王が寵愛したポメラニアンは、灰色のやや大きなタイプのポメラニアンでしたが、その後、小型でよりカラフルな毛色のポメラニアンに人気が集まりました。
小型化によって人気を得たポメラニアンは、1900年頃にはAKCによって認定され、イギリスとアメリカの両国ではさまざまな毛色のポメラニアンが勢揃いしてショーに登場することになります。現在では、人気犬種トップ20に必ず入るほどの不動の人気を獲得しています。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | 膝蓋骨脱臼・流涙症 予防として、股関節検査・心機能検査をしておくことをおすすめします。 |
---|