
写真:Ronald Müller-Hagen (Ketterechts)
ケアーン・テリア
犬種の特徴
ケア―ン・テリアは、小型ながらも、頑丈な骨格に短い足で機敏に動きます。狩りに使われていた犬種ですので、我慢強く勇敢で活発な性質が特徴的です。
雨に強い被毛は、柔らかく密集した下毛と、豊富な粗い外毛の二層構造になっています。顔の周りに飾り毛があるため、少しキツネのような風貌になっているのが特徴的です。
恐いもの知らずで活発なケアーン・テリアは、好奇心が強く、気の強い性格で、テリア種の見本ともいえるような性格の犬種です。頭がよく、利口でしつけしやすいです。また、人を喜ばせることが大好きで、子供ともすぐ仲良くなれます。
この犬の歴史
ケアーン・テリアは、スコットランドのスカイ島に生息していたとされ、足の短いテリア種の祖先犬にもっとも類似しているといわれています。
スコットランド産のテリアはもともと1犬種で、総称してスコティッシュ・テリアと呼ばれていました。これらのテリア犬種は小型で短肢、剛毛が特徴です。
この犬種は15世紀頃から存在し、キツネ、アナグマ、カワウソなどの狩りに使われていたようです。犬たちは石塚(記念碑や歴史的建造物として作られた岩場の積み石)の中からカワウソたちを追いたてることを得意としていました。小型ながら頑健で勇敢であり、スコットランドの農村地域で飼育されていました。
1873年、この犬種の中からダンディ・ディンモント・テリアが独立犬種として分離され、残りのすべてのテリアはハードヘアード・スカイ・テリアと呼ばれる事になりました。
このハードヘアード・スカイ・テリアにはさまざまな毛色があり、やがて毛色によって区分されるようになっていきます。
ホワイト色のものに人気が高まり、マーキングが欠点とされたために、多数派だった有色種テリアのブリーダー達が造反し、この段階でホワイト色のウエストハイランド・ホワイトテリアが分離する事になりました。残りの有色テリアは短毛種であったためにショートヘアード・スカイ・テリアと呼ばれましたが、このショートヘアード・スカイ・テリアを改名して1912年に独立した犬種となったのがケアーン・テリアです。
ケアーン・テリアの形成にもっとも影響した犬たちはそのほとんどが白い毛色をしていましたが、1920年代に、これら白色の血統と混じらないように、ケアーン・テリアをウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアはもちろん、白色の犬種と掛け合わせることが禁止されました。
イギリスではたちまち人気が上がり、アメリカでも『オズの魔法使い』の“トートー”役として人気を博しました。優れた嗅覚と視覚で番犬や家庭犬として人気が高く、イギリスで最も人気の高いテリアでありましたが、近年ウエストハイランド・ホワイトテリア、ヨークシャー・テリアなどにその地位を奪われた感があり、我が国でもケアーン・テリアは一時的に人気の高かった犬種でありますが、最近は、飼育する人も少なくなりました。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | 特にありません。 |
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