子犬の食事の回数~ 体内備蓄できないため回数多く~

<子犬の食事回数は4~6回>

食事の回数は、子犬だと最低4回与えます。
朝・昼・夕・夜。
可能であれば、6回与えるのが理想です。

親から離されたばかりの子犬は、体内に栄養を十分に蓄積する能力が低いためだからです。
また、回数を多く与えることにより、消化に負担をかけなくてすむようになります。

ペットショップに多い苦情は、家に連れて帰って「下痢」とか「吐いて」具合が悪くなってしまう問題です。

子犬は、母から離され、兄弟姉妹から離れ離れとなり、とても不安な状態です。温かい家族ではありますが、まだ、家族にも、新しい家にもなれていないまったく新しい環境です。

私たちでたとえると、言葉の通じない、身寄りのない外国に、一人で置き去りにされた状況に近いと思います。
子犬の気持ち…なんとなく、想像つきますでしょうか!??
そのため、下痢や吐き気を起こす子が多いのです。

家族は大喜びで興奮状態ですが、子犬にとっては必死で適応しようとしています。当然ですが、十分な消化能力を発揮することができません。

ペットショップは、それによる消化器系トラブルをよく知っていますので、食事量を少なめに指導してくれます。

子牛や子豚を新しい環境に輸送すると、それだけで致死性の下痢を起こすことがよくあります。このように新しい環境は、こわい下痢や病気を誘発しやすという注意点があるのです。

このため、嬉しいのはわかりますが、家に招いた子犬は2~3日はできるだけ安心できるよう気を配ってあげてください。

このような下痢などの病気の問題が起きやすいため、ペットショップなどでは食事の量を少なめに与えるよう指導されていることが多いです。

<食欲が湧いてきたそのときが重要>

家族と住まいに慣れてきたら、子犬が必要とする食事量に調整してあげるのが良いでしょう。
このあたりがやや注意が必要で、犬種や、その子そのこの性格、落ち着ける自分の場所の良否により、問題が起きにくくなるまでの日数が違います。

十分になれるのに早い子は2~3日、長い子は10日ほどかかる子もいると思います。その間に、食事の量が多くなると、下痢などからの体調不良が起きやすいですので、便が柔らかすぎないか、食事量と便の調子をよく観察してあげてください。

心配なときは、ペットショップや近くの獣医さんに相談してください。

さて、問題はここからです。
実際に、早い子であれば2、3日、遅い子でも2週間のうちに家族に溶け込み、安心して暮らせるようになります。
そうすると、いままでの緊張が解け、安心して成長と共に食欲が湧いてきます!!

この段階になったとき、食事量をその子に合わせて増やしてあげましょう。
そのときに、重要なのが、食事の回数なのです。

たとえば、いま、1日合計60g与えていたとすれば、これを、15gずつ、4回に分けて与えます。

子犬は、少し前まで母犬から母乳を日に何度ももらっていました。人の赤ちゃんも同じですよね。大人と同じ食事回数ではなく、もっと多いですね。
子犬も同じで、成犬になるまでは回数を多く上げてください。

回数を多く上げることにより、次にいつ食事がもらえるのかという不安がなくなってきますので、徐々に必要な食事量を落ち着いて食べれるようになります。

子犬が必死にドッグフードを胃に詰め込むのは、食事の量が少ないか、次に、いつ食事がもらえるか分からない不安と恐怖心からということが多いです。

つい最近まで、母乳を日に何度も母犬からもらっていた訳ですから。
この不安な癖を子犬の時期に身に付けてしまうと、成犬になっても過食傾向が続き、肥満犬になりやすくなってしまいます。

食事の量を増やして、便がゆるくなるようでしたら、少し量を減らして調整します。食事の回数を増やして数日しても、必死ですぐに食べ終わるようであれば食事の量が足りませんので、食事の量を調整してあげてください。

食事の量が多いときは、
1、残す
2、下痢・軟便になる
3、吐く
ことが多いです。
下痢と吐き気が繰り返す場合は、寄生虫などの感染や、誤飲などの問題がおきている場合がありますので、かかりつけの獣医さんなどに相談されるとよいでしょう。

食事が少ないときは、
1、狂ったように食べる
2、いっきに食べきる
3、食べたあと、皿をなめまわす
4、まだ欲しそうに飼主をみつめる
行動をとることが多いです。
ちなみに、子犬は体重あたりで成犬の2倍ぐらい(超小型犬は3倍近く)食事を多く摂ります。成長期ですので、たくさん食べます。
これが一年ぐらいすると、ピタッと食べなくなります。成長期終了の合図です。このときに心配してムリに食べさせると肥満となってしまいますので注意して下さい。

繰り返しますが、家族の時間が許すようであれば食事の回数は6回で与えてあげてください。

子犬は、一日6回の食事が理想です。

少なくとも半年間は4回の食事は子犬には必要です。

人と同じで、幼少期がとても大切です。大事に育ててあげましょう!

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獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

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