
セント・バーナード
犬種の特徴
存在感のあり堂々とした風格のあるセント・バーナードは、均衡のとれた体高の高い体格をしています。力が強く、筋肉質で、深い雪の中を何キロも進んでいくことができる能力を備えています。
被毛の種類にはスムースタイプとロングタイプの2種類があります。スムースタイプは、硬く短い毛が密集しています。首の周辺、肩、尾、四肢の後方の被毛はとくにながいです。ロングタイプは、直毛だったりややウェーブがかかったほどほどの長さの毛で覆われていて、腿と尾に少しだけ飾り毛があります。
超大型犬ですが、静かでのんびりした雰囲気のセント・バーナードは、子供のまわりにいる時は温和で忍耐強い性格の犬種です。とても利口で従順。家族に対して非常に献身的で、家族を喜ばせようと懸命に努力します。
この犬の歴史
セント・バーナードの起源は、古代ローマ時代のモロシアンタイプの犬種にあると考えられています。1660年から1670年にかけてようやくこのすばらしい犬が本格的に改良され始め、後に多くの人々の命を救うことになりました。
当時、アルプスのスイスとイタリアの国境を超える旅行者たちのための宿泊施設として、サン・ベルナール修道院が設けられていました。この修道院には、護衛と保護のために大型のマウンテン・ドッグが飼われていました。その時飼われていた大型犬が、後々セント・バーナード(サン・ベルナールの英語読み)と呼ばれるようになった犬でした。
セント・バーナードは当初、その修道院で、肉を焼く時に使う調理器用の踏み車を動かしたり、荷車を引いたり、番犬として活躍していましたが、雪山における探索能力を買われ、次第に行方不明になった旅行者たちを見つけ出す山岳救助犬として活躍するようになっていったようです。
3世紀に渡って、セント・バーナードは、2000人以上の人々の命をなる嗅覚によって救うという、すばらしい偉業を成し遂げました。なかでも、バリーは生涯で40人もの命を救ったもっとも有名なセント・バーナードです。当時、セント・バーナードは「ホスピス・ドッグ」などいくつかの愛称で呼ばれていましたが、バリーの功績が特に注目されたこともあって、バリーが亡くなった後、人々はその栄誉を称えてセント・バーナードを「バリーフンド」と呼ぶようになりました。
19世紀初めには、非常に厳しい天候の中で、また病気や同系交配によって多くのセント・バーナードたちが命を落としてしまいました。生き残った一部のセント・バーナードは1830年にニューファンドランドと掛け合わされ、その結果、初めて長毛のセント・バーナードが誕生することになりました。
長い被毛は、寒い雪の中での作業に役に立つと考えられましたが、実際には、被毛に氷が氷結して固まってしまい、動きがとりにくくなり、長毛のセント・バーナードは、人命救助の仕事から離れていくことになります。
セント・バーナードが初めてイギリスへ上陸したのは1810年のことです。神聖な犬としてさまざまな名前で呼ばれるようになりますが、1865年にはセント・バーナードという名前が一般的になり、1880年にはこの名前が公認されることになりました。1900年頃になるとたちまち大変な人気を博すようになり、その後、人気は上がり下がりしますが、現在では人気の高い大型犬のひとつとして安定した評価を得ています。 1985年には、AKCがこのふたつの犬種を完全に別犬種として認定することになりました。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | 股関節形成不全、皮膚疾患、外耳炎 予防として、眼科検査をしておくことをおすすめします。 |
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