愛犬に人間の食べ物は安全の間違い【2】

愛犬に人間の食べ物は安全の間違い【2】

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人間にいいから犬にもいいという意見は、
十分すぎるほど世の中には浸透しています。

そのメリットは周知されていますが、
私は懸念すべき点があることを書きたいと思います。

私が守りたいのは、
愛犬が困難になったときに、それを解決できる新しい情報です。

これからお話するような内容について、

「うちの子は大丈夫だから(あなたの犬も大丈夫だよ!!!)」

という主張をおっしゃる方がいます。

では、こういうケースはどうでしょう?

人と犬は、根本の代謝が違うのです。

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あなたのお子さんが、アトピーであったとしましょう。
それで、卵が食べられません。

学校の先生が、給食であなたの子どもが卵を残すことをみて、叱りつけました。
あたなのお子さんは、自分にアトピーがあることを一生懸命に先生に伝えました。

しかし、先生は、こう言いました。

「ほかの子が食べて大丈夫なんだから、あなたが食べても大丈夫。わがまま言うな!!」

いまでは、信じられない対応ですが、
アトピーへの理解がない一昔前には、どこの教育現場でも頻発していました。
———-

犬は、オオカミを先祖として6500万年間のあいだ純肉食動物がルーツです。

そのため、樹上で果物や葉を食べていたサルをルーツとする人間(ヒト)とは、
根本の体の代謝が違うのです!(←ここ重要です)

ですので、みなさんのワンちゃんが食べているドッグフードを見てください。

原材料の一覧に

「DL-メチオニン」

という記載があります。

これ、なんの成分かわかりますでしょう?

これは、体を「酸性化」させるための成分です。

それが、わざわざほぼすべてのドッグフードに入っているのは、
なぜでしょう?(実際に、ほとんどのドッグフードに入っています)。

これは、ドッグフードの穀物やその他の植物成分を使うことで、
犬の体内が「アルカリ化」してしまうのです。

尿もアルカリとなり、そのことが原因で、
犬は結石が起きたり、免疫低下が起きたりします。

そのために、わざわざ植物を与えたときに体のアルカリ化を、
「酸性化剤」をフードに混ぜて、酸性にしているのです。

DL-メチオニンにより、愛犬に貧血(血液が溶けることがあります)や、
細胞が酸化される危険があります。

これほど、人と犬は、根本の代謝が違うのです。

犬の基本的な代謝や進化の背景を忘れてはいけない

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では、話しを戻しましょう。

近所のワンちゃんが、
毎日、キャベツ、レタス、玉ネギ、ニンニク、人参、大根を与えられていました。
(実際に、そういう飼育し方をされておられる方をときどき見かけます)

そのワンちゃんは、16歳だったとします。

そういう方が、この記事を読まれると、
こうおっしゃいます(実際に何度もあったのですが)

『うちの子は、野菜をたっぷりやっているけど、健康で長生き!
全然平気。(だから、そんなの気のせいよ)』

実際に、野菜をいくら食べても
大丈夫で元気なワンちゃんも時々います。

ウイスキーをボトル1本空けて飲んでも
二日酔いしない人と同じ感じでしょうか。

しかし、犬の基本的な代謝や進化の背景を考慮せずに
人の食べ物を無防備な愛犬へ給与することは、大変な違和感を覚えます。
(犬は肉食だったため、野菜に含まれる化学成分=アルカロイドが分からないことが多いのです)

次回は犬にとって危険な食べ物について
もう少し具体的にお話したいと思います。

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獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

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