
オッターハウンド
犬種の特徴
オッターハウンドはがっしりとした体つきの大型犬で、体高よりも体長がわずかに長い胴体を持っています。
四肢には、水掻きがついたようになっており、泳ぎが得意な犬種です。
被毛は、きめの粗い上毛と、脂質を含んだ羊毛状の、防水性、断熱性に富んだ下毛とが組み合わさった二層構造をしており、イバラのトゲや冷たい水など体の体温低下の役立っています。
明るく友好的ですが、やや頑固な面もあります。猟犬の性質を持っているので、いったん追いかけ始めると、途中で止めさせるのは、なかなか難しいです。獲物の臭いを嗅ぎながら追いかけたり、特に水のなかを泳いで追いかけるといったことには夢中になってのめりこみます。 ですが、気立てが優しく、のんびりした面も持ち合わせて、家族のことを心から愛し、子供たちとも仲よくやっていけるでしょう。
この犬の歴史
ハウンド・グループのなかでもっとも特異な犬種としてあげられるのが、頑丈なセントハウンド(嗅覚狩猟犬)であるオッターハウンドです。この犬種の発祥地はイギリスとする説とフランスとする説があります。
イギリス起源説によれば、エドワード2世の時代にこの犬は実在していて、カワウソ猟に使われていたとされていたとなっていますが、古い時代のフレンチ・ウェンディー・ハウンドに非常によく似ているため、実はフランスが発祥地ではないかという説も存在しています。
他に、ウェルシュ・ハリアやフォックスハウンドの一種であるサザン・ハウンド、またはブラッドハウンドやウォーター・スパニエル系の血統も混ざっているとも考えられています。
その後、カワウソ(オッター)を追う猟犬として活躍することになり、イギリスの犬世界で独特の位置を占めることになります。ちなみに1212年には、ジョン王がオッターハウンドについて、初めての記録を残しています。
この犬種は、川のなかにいる魚たちを食べつくしてしまうカワウソを退治するために、大変役に立っていました。この犬種はカワウソを殺すわけではなく、カワウソをその巣に追いつめ、長くて太い声で吠えながら猟師に居場所を知らせます。駆けつけた猟師たちは、今度は別の小さなテリア種をその巣穴に潜らせ、カワウソをしとめさせたのです。
1800年代後半から1900年代にかけ、イギリスではカワウソ猟が盛んになります。多い時には20組以上のオッターハウンドのチームが、イギリス国内で狩りをしていました。
当初は、食物資源からカワウソを追い払うという実利的な意味がありましたが、次第にスポーツとして行われるようになっていったのです。猟師たちは優秀な猟犬を作ることに専心し、様々なハウンド犬種を交配するようになります。用いられたのが、ブラッドハウンドやフランス産の粗毛のハウンド、現存していないサザンハウンドなどです。
こうして、現在のオッターハウンドの原型が作出されました。
1900年代半ばに入ると、第二次世界大戦後や水質汚濁の影響で、オッターハウンドの数が激減してしまいます。
また、1978年にはイギリスで、そして 2年後の1980年にはスコットランドでカワウソ猟が禁止されたこともあり、現在、世界中に存在しているオッターハウンドの存在が薄くなっています。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | 股関節形成不全。血小板の機能障害。胃捻転 予防として、股関節検査をしておくことをおすすめします。 |
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