
ブル・テリア
犬種の特徴
ブル・テリアは、格好のよい外見と強固な性格の持ち主で、まさに格闘士のようです。がっしりと丈夫で筋肉質がたくましく、均整がとれた体型、独特の頭部が特徴的です。その大きな口からも顎の力強さがうかがえます。
被毛は短く硬く、美しい光沢があります。色はホワイトが主流ですが、ブリンドル、ブラックブリンドル、フォーン、レッドアンドホワイト、トライカラー有色犬などもいます。
ブル・テリアは、活発で、愛嬌があり、遊び好きです。主人の喜ぶことを好んでやる、忠実な犬種ですが、見知らぬ人には、警戒心を見せることがあります。強力な顎を持っているため、いたずらが過ぎないように、毎日十分な運動をさせることが大切です。
この犬の歴史
ブル・ベイティング(ヨーロッパで行われていた、牛と犬を闘わせる見世物)や闘犬が、最上の娯楽として多くのヨーロッパ人を熱狂させていた頃、ブル・テリアは、最高の闘犬を目指して交配が続けられていました。
1835年頃、ブル・ドッグとホワイト・イングリッシュ・テリアの交配によって、より闘犬に適した犬種「ブル・アンド・テリア」が作り出されました。
その後、スパニッシュ・ポインターの血が加えられて、大型の頑強かつ機敏な犬が誕生し、闘犬界に君臨するようになりました。ただし、ドッグ・ショーの盛んだったイギリスでは、この犬種は社会の下級階層を連想させるとして、あまり注意を払われませんでした。
ところが、闘犬が廃止されたことによって、愛好家たちは犬に闘わせることをやめ、新しくできたルールに従って、犬の容姿を重視しながら繁殖を行い始めたのです。1860年頃、ジェイムス・ヒンクスがブル・アンド・テリアに、ホワイト・イングリッシュ・テリアとダルメシアンを掛け合わせ、真っ白な品種を作り出し、ブル・テリアと名付けました。ホワイトは始めのうちは劣等犬として見下されていましたが、ドッグ・ショーの世界で注目を集め、一気に有名になりました。
筋肉質で整った体型を持ったブル・テリアは、傍らに置きたい愛玩犬として若い紳士たちにもてはやされました。また、戦闘能力ではなく、その防衛能力が評判になり、“ホワイト・キャバリア(白い騎士)”とも呼ばれるようになりました。
1936年、AKCに登録され、犬種としての地位を認められるようになりました。愛嬌のある性質やしぐさは多くの人々を魅了し、現在も映画や広告に人気の犬種です。
ブル・テリアのサイズをそのまま小さくしたミニチュア・ブル・テリアも作出されていて、ミニチュア種はブル・テリアとして生まれた小型の犬を選抜して1930年に作り出されました。
かかりやすい病気
気をつけたい病気 | 聴覚障害(ホワイト種)・腎臓疾患 予防として、聴覚検査 (ホワイト種)をしておくことをおすすめします。 |
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