犬の腎不全に手作りスープはOK?理由やレシピなどを解説

ic-kidney-20260107-ph10

犬の腎不全に手作りスープはOK?理由やレシピなどを解説

愛犬が腎不全になってしまった時、手作りフードやスープは与えても良いのか、疑問に感じる方も多いはずです。

本記事では、犬の腎不全における食事療法の重要性や手作りスープのメリット、レシピやカロリーの計算方法についても解説しています。

目次

腎不全の愛犬に!手作りスープのレシピやそのメリットとは?

腎不全の愛犬に!手作りスープのレシピやそのメリットとは?

腎不全の愛犬にとって、食事管理は非常に重要です。手作りフードを与える場合には、必ず獣医師に相談してから与えるようにして下さいね。

腎不全の愛犬に適した食事の選択肢の一つとして、手作りのスープ状フードがあります。スープは消化にやさしく、栄養バランスも調整しやすいため、理想的な食事といえるでしょう。

ここでは、腎不全の愛犬に適した手作りスープのレシピと、そのメリットについて詳しく説明します。

腎不全の愛犬に手作りスープを与えるメリット

手作りスープは、腎不全の愛犬にとって多くのメリットがあります。

カロリーや栄養が摂取できる

食欲が落ちている愛犬には、少量でも栄養価の高い食事を提供することが重要です。栄養価の高い食材を選んで調理すれば、少ない量でも必要な栄養とカロリーを効率よく摂取させることができます

また、無添加の新鮮な食材を使用することで、市販のドッグフードに比べて添加物を抑えた、より自然な食事を提供できるのも大きな利点です。

嗜好性が上がるので食べが良くなる

温かいスープごはんは、香りが立ちやすく、愛犬の食欲を刺激します。さらに、食材やトッピングを活用することで、簡単に味の変化をつけられるのも魅力です。普段のドッグフードに興味を示さなくなった愛犬でも、このスープごはんなら食べる気を起こすかもしれません。

水分補給もできる

スープごはんの最大の利点は、栄養と水分を同時に摂取できる点です。健康維持には十分な水分補給が欠かせませんが、特に老犬は水分摂取量が減りがちなため、スープごはんは理想的な食事と言えるでしょう。そして腎臓病には水分補給は非常に重要です。

さらに、ドライフードに比べて水分量が多いため、咀嚼や嚥下が容易になります。また、水分が豊富に含まれているおかげで、胃腸への負担も軽減されます。

歯が悪い老犬にも与えやすい

腎臓病に罹患している犬は、多くの場合高齢犬です。

高齢犬は歯の状態が悪化していることが多く、硬いドライフードを食べるのが困難になっている可能性があります。このような場合、ごはんをスープ状にすることで対応できます。

スープ状の食事は水分を多く含むため柔らかく、歯の状態が良くない犬でも比較的容易に食べることができます。

犬の腎臓病におすすめの食材

犬の腎臓病におすすめの食材

腎不全の愛犬に適した食材を選ぶことは極めて大切です。以下に、腎臓の機能を上げてくれる食材をまとめましたので、手作りスープを作る時の参考にしてくださいね。

β-カロテンやビタミンCを豊富に含むおすすめの野菜

  1. にんじん

    • β-カロテンが豊富で、抗酸化作用があります。にんじんはリンの含有量も低めで、腎臓病の犬に適しています。生のまままたは軽く茹でて与えることが推奨されます。
  2. かぼちゃ

    • β-カロテンを非常に豊富に含む野菜で、ビタミンCも含まれています。かぼちゃは比較的リンの含有量が低く、腎臓病の犬に適しています。消化しやすくするために蒸して与えると良いでしょう。
  3. パプリカ(特に赤色)

    • 赤パプリカはビタミンCの含有量が非常に高く、β-カロテンも含まれています。しかし、与える際は小さな量から始め、犬の反応を見て調整することが大切です。
  4. ブロッコリー

    • ビタミンCが豊富で、β-カロテンも含むブロッコリーは、リンの含有量が比較的低いため、腎臓病の犬に与えやすい野菜です。ただし、ガスを引き起こす可能性があるため、少量から試し、よく茹でて与えてください。

これらの野菜を腎臓病の犬の食事に取り入れる際は、量を控えめにし、他の食材とのバランスを考慮することが重要です。また、新しい食材を導入する際は常に獣医師の指導を受け、犬の健康状態に合わせた調整を行うことが推奨されます。これにより、腎臓病の進行を遅らせると共に、犬の全体的な健康をサポートすることができます。

海藻やきのこ類

腎臓病を患っている犬に海藻やきのこ類を与える場合、それらが持つ栄養成分が腎臓に与える影響を慎重に考慮する必要があります。一般に、これらの食品群は栄養豊富で健康的ですが、腎臓病の状態によっては、摂取を制限する必要がある場合もあります。

以下に、腎臓病の犬におすすめの海藻ときのこ類を紹介します。

海藻類

  1. ワカメ

    • ワカメは比較的低ナトリウムで、ミネラルやビタミン、食物繊維が豊富ですが、リンの含有量も低めで、適量ならば腎臓病の犬に与えても安全です。ただし、塩分を含まない自然な形で与えることが重要です。
  2. アラメ

    • アラメは消化しやすく、リンの含有量が比較的低い海藻です。ビタミンやミネラルも豊富で、腎臓病の犬の健康維持に役立ちます。
  3. ノリ

    • ノリはタンパク質の含有量が高いですが、リンの量は比較的控えめで、少量ならば問題なく摂取可能です。また、ビタミンやミネラルが豊富で、腎臓病の犬の栄養補助に適しています。

きのこ類

  1. しいたけ

    • しいたけはビタミンDが豊富で、低カロリーながら食物繊維も多く含んでいます。リンの含有量が比較的低いため、腎臓病の犬に適しています。
  2. えのきたけ

    • えのきたけは低カロリーで、食物繊維が豊富です。また、消化が良く、リンの含有量も低いため、腎臓病の犬に与えやすい食材です。
  3. まいたけ

    • まいたけは免疫力をサポートする効果が期待されるβグルカンを含み、リンの含有量も比較的低いため、腎臓病の犬に適しています。

これらの食材を腎臓病の犬に与える際は、必ず獣医師の指導のもとで適切な量を調整し、他の食事管理と合わせて行うことが重要です。摂取量や頻度について獣医師と相談し、犬の健康状態に最適な食事プランを確立してください。

肉類

腎臓病を患っている犬にとって、食事はその病状を管理する上で非常に重要です。特に肉類の選択には注意が必要で、低タンパク質で高品質な肉を選ぶことが推奨されます。以下は、腎臓病の犬におすすめの肉類です。

  1. 鶏の胸肉

    • 鶏の胸肉は低脂肪で消化が良く、タンパク質含有量も適度です。これは腎臓病の犬にとって適切な選択肢であり、リンの含有量も比較的低めです。
  2. 七面鳥の胸肉

    • 七面鳥の胸肉も鶏の胸肉と同様に低脂肪で消化しやすく、タンパク質の質が高いため、腎臓病の犬に適しています。こちらもリンの含有量が低いため、腎臓に負担をかけません。
  3. 牛肉(赤身)

    • 牛肉の赤身部分は、脂肪含有量が低く、適度なタンパク質を提供しますが、リン含有量に注意が必要です。非常に少量を与える場合に限り、腎臓病の犬の食事に含めることができます。

これらの肉類を腎臓病の犬に与える際は、必ず獣医師の指導のもとで量を調整し、他の食事管理と合わせて行うことが重要です。また、肉は調味料を使わずに茹でるか蒸して調理し、余計な脂肪や塩分を避けるようにしてください。

魚類

魚に含まれるオメガ3脂肪酸は、研究により慢性腎臓病の進行を遅らせる効果が確認されています。魚には良質なタンパク質や免疫力を高める栄養素も豊富です。腎臓病の犬におすすめする魚類を選ぶ際には、低リンで消化しやすい種類が好ましいです。

おすすめの食材はこちらです↓

  • たら
  • ヒラメ
  • カレイ

油分

腎臓病を持つ犬におすすめの油を選ぶ際は、消化しやすく、オメガ3脂肪酸を含む種類が適しています。これらの油は炎症を抑える効果があるため、腎臓病の症状を和らげるのに役立つことがあります。

  1. 魚油

    • 特にサーモンオイルや魚油は、EPAとDHAを豊富に含みます。これらのオメガ3脂肪酸は、抗炎症効果があるため、腎臓の炎症を抑えるのに有効です。また、心血管の健康をサポートし、全体の健康状態の向上にも寄与します。
  2. 亜麻仁油(フラックスシードオイル)

    • 亜麻仁油は植物ベースのオメガ3脂肪酸を含み、炎症を抑える効果があります。ただし、魚油に比べてEPAとDHAの効率的な利用率は低いため、適量を守ることが重要です。
  3. オリーブオイル

    • オリーブオイルはモノ不飽和脂肪酸が豊富で、抗酸化作用があります。腎臓病の犬に少量を与えることで、全体的な健康をサポートすることができます。

使用する際の注意点

  • 獣医師と相談する腎臓病の進行具合によっては、脂肪の摂取制限が必要な場合があります。適切なタイプと量について獣医師と相談してください。
  • 少量から始めるどの油も導入時は少量から始めて、犬の体調を観察しながら徐々に量を調整することが大切です。
  • 質の良い油を選ぶ加工が少ない、新鮮で質の高い油を選ぶことが重要です。保存料や添加物が含まれていないことを確認してください。

穀物・豆類

腎臓病を持つ犬においては、穀物や豆類を選ぶ際にも慎重になる必要があります。これらの食品群は一般的にタンパク質、リン、ナトリウムなどの含有量が高いため、腎臓に負担をかける可能性があります。しかし、適切に選び、適量を与えれば、腎臓病の犬の健康維持に役立つ場合があります。

  1. 白米

    • 白米は消化が良く、リンの含有量も比較的低いため、腎臓病の犬に与えやすい穀物です。栄養価を高めるために、他の食材と組み合わせてバランスの取れた食事を提供することが重要です。
  2. 玄米

    • 玄米は白米より栄養価が高く、食物繊維も豊富ですが、リンの含有量もやや高いため、与える量に注意が必要です。玄米は非常に少量で提供し、他の食材とよくバランスを取ることが勧められます。
  3. オートミール

    • オートミールは食物繊維が豊富で、腎臓病の犬にとって消化が比較的容易です。また、エネルギー源としても適しており、少量から始めて犬の反応を見ながら量を調整することができます。
  4. 大麦

    • 大麦は食物繊維が豊富で、穀物の中ではリンの含有量が比較的低い方です。大麦は腎臓病の犬の食事に適度に組み入れることができます。

使用時の注意点

  • タンパク質とリンの管理腎臓病の犬はタンパク質とリンの摂取を制限する必要があります。穀物や豆類を与える際は、これらの成分の含有量を確認し、獣医師の指導のもとで適量を決定してください。
  • 加工品の避ける加工された穀物や豆類は添加物や塩分が含まれていることが多いので、できるだけ自然な形のものを選び、調理時には無塩で調理してください。

低リン、低タンパクで腎臓に優しいスープレシピ3選

低リン、低タンパクで腎臓に優しいスープレシピ3選

ここでは低リン、低タンパク質の手作りスープレシピを3つご紹介します。

ここで紹介するスープレシピは、低リン、低タンパクで腎臓に優しいものを選びました。これらのスープは、食欲が落ちがちな犬でも食べやすいように工夫されています。

1. 鶏胸肉と野菜の優しいスープ

材料:

  • 鶏胸肉 50g(脂肪を取り除き、小さくカット)
  • にんじん 小さじ1(細かく刻む)
  • ズッキーニ 小さじ1(細かく刻む)
  • セロリ 小さじ1(細かく刻む)
  • パセリ 少量(みじん切り)

作り方:

  1. 鶏胸肉を沸騰した水で茹で、泡を取り除きながら柔らかくなるまで煮ます。
  2. 別の鍋に少量の水を沸かし、にんじん、ズッキーニ、セロリを加えて柔らかくなるまで煮ます。
  3. すべての材料を合わせ、さらに数分間煮込みます。
  4. 火から下ろし、冷ましてからパセリを上に散らします。

2. さつまいもと白米のスープ

材料:

  • さつまいも 30g(皮を剥き、小さくカット)
  • 白米 1/4カップ(よく洗う)
  • 水 適量

作り方:

  1. 白米を清水で洗い、さつまいもと共に鍋に入れます。
  2. 適量の水を加え、米が柔らかくなるまでゆっくり煮ます。
  3. 完全に柔らかくなったら火を止め、少し冷ましてから提供します。

3. カボチャとリンゴのスープ

材料:

  • カボチャ 50g(種と皮を除き、小さくカット)
  • リンゴ 1/4個(皮をむき、種を除いてカット)
  • 水 適量

作り方:

  1. カボチャとリンゴを小さく切り、鍋に入れます。
  2. 適量の水を加え、カボチャが柔らかくなるまで煮ます。
  3. 全部をミキサーにかけ、なめらかになるまで撹拌します。
  4. 冷ましてから提供します。

これらのレシピは、腎臓病の進行を考慮してタンパク質とリンの量を抑えつつ、犬が食べやすく消化しやすいものを選んでいます。しかし、どのレシピも導入する前に必ず獣医師に相談し、犬の健康状態に適した食事であることを確認してください。

スープ作りの基本

腎臓病の犬のための食事作りは、人間の腎臓病食の調理法に似ているところがあります。

調理の基本は、リンとカリウムの含有量を減らすことにあります。具体的には、肉類や根菜は茹でこぼし、野菜は水にさらすことが基本となります。これらの工程を経ることで、リンとカリウムを1〜2割程度減らすことができるとされています。

調理の基本手順は通常の犬食と同じですが、水分を多めに加えて雑炊のような柔らかい仕上がりにするのがポイントです。

手作りを続けるには工夫も必要

愛犬のためとは言え、毎日手作りスープを作るのは本当に手間がかかって大変ですよね。

毎日作るのが大変という方は、市販品を上手に組み合わせることで、手作りスープの手間を省くこともできます。

市販品には、無添加の野菜と穀物を乾燥させたようなフードなども売っているので、それらを低リンのお肉やお魚にトッピングしてたっぷりの水分で調理してあげればスープごはんが完成します。リンやタンパク質量は製品の成分表示を確認して調整してあげれば良いでしょう。

また、手作りスープを多めに作っておいて、小分けに冷凍しておくのも良い方法です。週末などにまとめて作っておいて、少量ずつ冷凍しておけば、必要な量だけ解凍して利用することができます。

飼い主も、愛犬も、無理のない手作りフードライフを楽しんで下さいね。

シニア犬が1日で摂取しても良い栄養の目安

シニア犬が1日で摂取しても良い栄養の目安

シニア犬が1日に摂取する栄養素の推奨量については、体重、年齢、健康状態、活動レベルによって異なります。以下の表は、一般的なシニア犬に対する栄養素の推奨量の参考値です。

具体的な数値は獣医師に相談することをお勧めします。

栄養素 推奨量(体重1kgあたり/日)
エネルギー(カロリー) 30-40 kcal
タンパク質 2.0-3.0 g
脂肪 1.0-1.5 g
炭水化物 特定の基準はなし
食物繊維 2-4%(総摂取カロリーに対する割合)
カルシウム 50-100 mg
リン 40-90 mg
マグネシウム 7.5-15 mg
ナトリウム 0.2-0.4 g
カリウム 0.5-1.0 g
ビタミンA 100-200 IU
ビタミンD 8-20 IU
ビタミンE 1-3 IU
ビタミンB群 特定の基準はなし
水分 50-60 ml

タンパク質量の計算方法

シニア犬が一日に摂取しても良いタンパク質量をもとに、腎不全を患う犬が摂取してもよいタンパク質量を計算してみましょう。

シニア犬では、1日に体重1kgあたり、2.0-3.0 gのタンパク質を摂取することが推奨されます。しかし、腎臓病の犬には通常の健康な犬に比べてタンパク質を少なくする必要があります。

獣医師によって異なりますが、一般的に体重1kgあたり1.0~1.5gのタンパク質が推奨されます。

例:体重10kgの犬の場合、1日あたり10~15gのタンパク質が必要

カロリーの計算方法

つづいて、腎不全を患う犬が摂取してもよい1日のカロリーについても計算してみましょう。

腎臓病の犬に与えるごはんのカロリーを計算するための手順は以下の通りです。

  1. 犬の体重(kg)を測る。
  2. 基礎エネルギー必要量(RER)を右の式で計算する:RER=70×(体重kg)の0.75乗 
  3. 犬の活動レベルに応じてRERに係数を掛け、調整後のエネルギー必要量(DER)を計算する。腎臓病の犬の場合、通常は1.2(低活動犬の係数)を使用する。
  4. 計算されたDERが、腎臓病の犬に与えるべき1日のカロリー量になります。

例:体重10kgの犬の場合

RER=70✕10kgの0.75乗=393.4kcal/日

DER=393.4×1.2=472.08kcal/

こちらの計算方法を使って、必要なカロリーを適切に管理してみて下さいね。詳細な指導や個別の調整については、必ず獣医師に相談してください。

リンの摂取量について

腎臓病の犬が摂取できる1日のリンの量についての推奨値は、通常体重1kgあたり22mgから60mgとされています

例:体重10kgの犬の場合、1日あたり220~600mgが目安

個体差や病状によっても変わるため、具体的な量については、必ず獣医師と相談してください

犬の慢性腎不全の食事療法

犬の慢性腎不全における食事療法の重要性

犬の慢性腎不全は進行性の病気であるため、腎臓の機能が失われてしまうスピードを緩やかにしてあげることが必要です。そのためには、毎日の食事で与えるモノも重要になってきます。また、水分摂取も大切で、十分な水分を摂ることで腎臓の機能を助けることができます。

腎不全の犬には低リン・低タンパク質のフード

タンパク質は排泄時に窒素を含む老廃物を生成し、これが体内に蓄積して腎臓に負担をかけるため、ささみやジャーキーなどの高タンパク食は避けるべきです。

同様に、リンも腎機能の低下と密接に関連しており、高リン食は腎臓病の進行を促進する可能性があります。腎臓の機能が低下するとリンの排出がうまくできず、血中濃度が上昇してしまうからです。

腎不全の犬専用のフードとは?

市販されているドッグフードの中には、腎臓病に配慮されたものが売られています。腎臓病の犬専用のフードは、特に腎臓への負担を減らすように作られています。これらのフードは、低たんぱく低リンであるだけでなく、必要なビタミンやミネラルもバランスよく含まれています。

例えば、オメガ-3脂肪酸や抗酸化物質など、腎臓の保護に役立つ成分が含まれていることが多いです。また、嗜好性が考慮され、犬が美味しく食べられるように工夫されているものもあります。これにより、食事のストレスを減らし、健康状態を維持することが可能となっています。

犬が腎不全専用フードを食べない理由

いくら体に良いからと言っても、愛犬が療養食を食べてくれなければ元も子もありません。せっかく与えた専用フードを食べてくれないと心配になりますよね。

犬が腎不全専用フードを食べない理由には、いくつかの要因が考えられます。

  • 食感や味の好み腎臓病専用フードの味や食感が好みではない
  • 食欲不振病気そのものが食欲不振を引きおこしている
  • 新しいフードへの慣れ新しいフードに対する慣れが必要で、慣れるまでに時間がかかることがある
  • ストレスや不安病気や治療に伴うストレスや不安が食欲に影響を与えている可能性
  • 身体の不快感痛みや不快感(例えば、口内の痛みや消化器の不調)が原因で食べる意欲が減少している
  • 飼い主の心配飼い主の心配や不安が犬に伝わり、犬も不安を感じて食べなくなることがある
  • 過去の経験過去にフードを食べた際の不快な経験(例えば、吐き気や下痢)から食べないことがある
  • 他の健康問題腎不全以外の健康問題(例えば、歯や歯茎の問題、他の内臓の不調など)が影響している可能性
  • 食事の環境食事をする環境が犬にとって快適ではない(例えば、騒がしい場所や他のペットの存在など)

これらの要因を解決をしても専用フードを食べてくれない場合は、手作りフードを考えることも有効な手段です。

犬がごはんを食べないとどんな影響が出る?

愛犬がごはんを食べてくれないと、とても心配になりますよね。

犬が食事を取らなくなると、体重減少や免疫力の低下、エネルギー不足、脱水のリスク、消化器系の問題、肝臓への負担など、全身に様々な悪影響が現れます

また、栄養不足によって皮膚や毛並みの状態が悪化したり、既存の病気が悪化したりする可能性もあります。さらに、空腹やストレスから行動が変化することもあるのです。

手作りフードのメリットとデメリット

以下に、手作りフードを作ることのメリット・デメリットをご紹介します。

手作りフードのメリット

  • 個々の犬の状態や好みに合わせられる:愛犬の嗜好や食欲に応じた食事が提供できる、病気やアレルギーに対応しやすい
  • 新鮮な食材を提供できる:新鮮な食材を使用することで、栄養価の高い食事が提供できる
  • 添加物や保存料が少ない:市販のドッグフードに含まれる添加物や保存料を避けることができる
  • 食事のバリエーション:バラエティに富んだ食事を提供することで、犬の食事に対する興味を引きやすい

手作りフードのデメリット

  • 栄養バランスの確保が難しい:
    • 栄養バランスを正しく整えるのが難しく、特定の栄養素が不足するリスクがある
    • 特にカルシウムやリン、ビタミン、ミネラルのバランスを保つことが重要
  • 時間と手間がかかる:毎日の食事準備に多くの時間と労力を要する、調理や食材の買い物・レシピの考案が負担になる
  • 費用がかかる:高品質な食材を使用するため、費用が高くなることがある
  • 専門知識の必要性:犬の栄養学に関する知識が必要であり、不適切な食事が健康に悪影響を及ぼすリスクがある
  • 保存期間が短い:手作りフードは保存料を使用しないため、保存期間が短く、頻繁に新しい食事を準備する必要がある

手作りのフードを与える場合は、これらのメリット・デメリットを理解したうえで、獣医師と相談して最適な食事を提供していくことが大切です。

腎不全の犬に与えても良いおやつは?

腎臓病の犬に与えても良いとされるおやつには、以下のようなものがあります。これらのおやつは、リンやナトリウムの含有量が低く、腎臓への負担が少ないため、少量であれば安全に与えることができます。

  • 果物(リンゴ、ブルーベリー、イチゴ):リンやナトリウムが少なく、ビタミンや抗酸化物質が豊富
  • 野菜(にんじん、カボチャ、くり):リンやナトリウムが少なく、食物繊維やビタミンが豊富

犬は甘味の感度が高いので、甘みのある食べ物は比較的好んで食べます。 ただし人間とは違い、砂糖などのように強い甘味は好みません。 

犬が好むのは、肉・魚・野菜などに含まれている自然でほのかな甘味です。低リン・低ナトリウムの果物や野菜をおやつに取り入れみてはいかがでしょうか?

そのほかにも、市販のおやつを与えることも可能ですが、購入する際は、成分表示を確認してから与えるようにしてくださいね。

投薬と食べ物の関係

腎不全の愛犬に与える食べ物は、投薬の影響も考慮しなければなりません。

腎臓病の犬に使用される薬の種類

例えば、腎臓病の犬には、アンギオテンシン変換酵素阻害薬 (ACEI)、アンギオテンシン受容体拮抗薬 (ARB)、リン吸着剤といった薬が使われることがあります。

以下に、アンギオテンシン変換酵素阻害薬 (ACEI)、アンギオテンシン受容体拮抗薬 (ARB)、リン吸着剤の効果と作用をわかりやすく表にまとめました。

薬の種類 効果 作用
アンギオテンシン変換酵素阻害薬 (ACEI) 血圧を下げる、心臓の負担を軽減、腎機能の保護 アンギオテンシンIがアンギオテンシンIIに変換されるのを阻害し、血管を拡張させて血圧を下げる。ナトリウムと水の排泄を促進し、腎臓の血流を改善する。
アンギオテンシン受容体拮抗薬 (ARB) 血圧を下げる、心臓の負担を軽減、腎機能の保護 アンギオテンシンIIがその受容体に結合するのを阻害し、血管を拡張させて血圧を下げる。ナトリウムと水の排泄を促進し、腎臓の血流を改善する。
リン吸着剤 血中リン濃度を低下させる、腎機能の保護 消化管内でリンを吸着し、リンの吸収を防ぐ。これにより血中リン濃度を低下させ、腎臓にかかる負担を軽減する。

これらの薬の効果を妨げないような食べ物を与える必要があります。

薬を服用している犬がさけるべき食材

以下は、腎臓病の犬に対してACEI、ARB、リン吸着剤を服用させている場合に避けるべき食べ物のリストです。

薬の種類 避けるべき食べ物 理由
ACEI, ARB バナナ、アボカド、スイカ、ほうれん草、ジャガイモ、加工肉、塩漬け食品、チーズ 高カリウム食材は高カリウム血症のリスクが高まり、塩分は血圧を上昇させる可能性がある
リン吸着剤 内臓肉(レバーなど)、乳製品、魚、豆類、全粒穀物、サーモン、ブロッコリー 高リン食材は薬の効果を薄め、カルシウムの過剰摂取はバランスを崩す可能性がある

腎臓病の犬の食事管理において、これらの薬の効果を最大限に引き出すためには、適切な食材の選定と量を調整することが重要です。必ず獣医師と相談しながら、最適な食事を提供してあげてくださいね。

犬の腎臓病とは?

犬の腎臓病とは?

犬の腎臓病とは、腎臓の機能が低下し、体内の老廃物や毒素を適切に排出できなくなる病気です。

腎臓病には大きく分けて、急性腎不全と慢性腎不全の2種類があります。それぞれ異なる発症原因や症状があり、適切な治療や管理が欠かせません。

早期発見と適切な対応が、愛犬の健康を維持するためには重要です。

急性腎不全と慢性腎不全の違い

以下の表は、犬の急性腎不全と慢性腎不全の違いをわかりやすくまとめたものです。

急性腎不全 慢性腎不全
発症 突然発症し、数時間から数日で悪化する 長期間にわたって徐々に進行する
主な原因 毒物摂取、感染症、外傷 老化、遺伝的要因、慢性的な病原菌の感染
初期症状 食欲不振、嘔吐、脱水症状 水を多く飲む、尿量が増える、体重減少
症状の進行速度 急速に進行 ゆっくり進行
診断の重要性 早期発見と治療が非常に重要 早期診断が重要
その他の特徴 突発的な健康状態の変化 初期症状が見逃されがち

急性腎不全と慢性腎不全は発症の仕方や症状、進行速度に違いがあり、それぞれに応じた適切な対応が求められます。

犬の腎臓病においては、急性と慢性の違いが予後に大きな影響を与えます。急性腎不全では、適切な治療により腎機能の回復が見込める可能性があります。

一方で、慢性腎不全の場合、残念ながら腎機能の完全な回復はほぼ期待できません。しかし、適切な治療と管理によって症状の進行を遅らせ、犬の生活の質を向上させることは可能です。実際、腎臓病と診断される犬の大多数がこの慢性型に該当します。

慢性腎不全の治療方法とは?

慢性腎不全の治療方法は、症状の進行具合によって異なります。まず、食事療法が基本となります。低たんぱく質、低リンの食事を与えることで腎臓への負担を軽減します。薬物療法も行われることがあり、血圧を下げる薬や腎臓の血流を改善する薬が使われます。定期的に獣医師の診察と血液検査が必要となるため、通院の計画をしっかり立ててあげて下さい。

慢性腎不全になると愛犬の余命は?

残念ながら、現時点では犬の慢性腎不全は完治する方法がありません。しかし早期に発見され、適切な管理と治療が行われた場合、数年にわたって良好な生活を続けることができるでしょう

しかし、進行が早い場合や適切な治療が行われなかった場合、寿命が短くなる可能性もあります。適切なケアと愛情を注ぐことで、少しでも長く、健康で幸せな生活を送らせてあげて下さいね。

慢性腎不全になると併発し易い病気とは?

慢性腎不全になると併発し易い病気とは?

慢性腎不全は、様々な健康問題を引き起こす可能性のある深刻な疾患です。

腎臓の機能が低下すると、体内の老廃物が正常に排出されなくなり、全身の健康に影響を及ぼします。ここでは、腎不全になると併発し易い病気についてみていきましょう。

骨の異常(骨が弱る)

慢性腎不全になると、骨の異常が現れることがよくあります。これは、腎臓が正常に働かなくなるとカルシウムやリンのバランスが崩れ、骨が弱くなるからです。具体的には、骨粗しょう症や骨折のリスクが高まります。また、骨の強度が低下することで、日常生活に支障をきたすこともあるのです。定期的なカルシウムのチェックと適切な運動を心がけてあげてください

消化器のトラブル

腎不全が進行すると、消化器系のトラブルも発生しやすくなります。腎臓が正常に働かないと、体内に余分な水分や老廃物が溜まり、消化器の機能を低下させるからです。その結果、食欲不振や吐き気、便秘や下痢などの症状が現れることがあります。消化器トラブルを予防するためには、バランスの良い食事と適度な水分摂取が重要です。

高血圧症

慢性腎不全によって、血圧の調整が難しくなります。腎臓が弱ることで、ナトリウムと水のバランスが崩れ、体に余分な水分が溜まりやすくなるからです。その結果、血圧が上昇しやすくなり、高血圧症を引き起こすのです。高血圧症は心臓病や脳卒中のリスクも高めるため、定期的な血圧のチェックと適切な管理が必要となります。

膀胱炎

慢性腎不全の患者は膀胱炎にも注意が必要です。腎機能が低下することで、尿の排出が滞りやすくなり、細菌が膀胱内で繁殖しやすくなるからです。膀胱炎の主な症状には、排尿時の痛みや頻尿、血尿などがあります。これらの症状が現れた場合は、早めに医師の診断を受け、適切な治療を受けてください。

貧血を起こしやすくなる

慢性腎不全では、貧血を起こしやすくなります。腎臓がエリスロポエチンというホルモンを十分に作れなくなるためです。このホルモンは赤血球の生成を促す役割があり、その不足により貧血を引き起こすのです。貧血になると、疲労感や息切れ、めまいなどが現れます。適切に鉄分を補給することにも気を配ってあげてくださいね。

カリウム血症

カリウム血症は、血液中のカリウム濃度が異常に高くなる状態です。この状態は、慢性腎不全のある犬に特有です。

腎臓の機能が低下すると、カリウムの排出が難しくなり、体内に過剰に蓄積されます。カリウム濃度が高いと、心臓のリズムに影響を与え、命にかかわる症状が発生する可能性があります。

このため、日常的な食事やおやつの選び方に気をつける必要があります。獣医師の指示に従って、適切なカリウムの摂取量を守ることが大切です。

腎機能に効果のあるサプリメントとは?

腎機能に効果のあるサプリメントとは?

腎機能に効果のある食材や栄養素はたくさんありますが、それらを食事だけで補うのはとても大変です。

専用フードには、これらの栄養素が効果的に配合されていることも多いのですが、犬がそれを食べてくれない場合は、サプリメントを利用して栄養を補うのも良い方法です。

腎機能に効果のあるサプリメント

以下は犬の腎機能を高める効果があるサプリメントをまとめた表です。愛犬に使用する際には、必ず獣医師と相談の上、与えるようにしてくださいね。

サプリメント 効果
オメガ-3脂肪酸 抗炎症作用があり、腎臓の健康をサポートする
コエンザイムQ10 (CoQ10) 抗酸化作用があり、細胞のエネルギー産生をサポートする
ビタミンB群 代謝をサポートし、エネルギー産生に寄与する
アルファリポ酸 (ALA) 強力な抗酸化作用を持ち、腎臓の保護に寄与する
プロバイオティクス 腸内環境を改善し、腎臓にかかる負担を軽減する

犬にサプリメントを使用する時の注意点

ここでは、腎機能向上に効果が期待できるサプリメントを紹介しました。

ただし、サプリメントには腎機能に良い効果がある一方で、組み合わせによっては服用中の薬の効果を妨げたり、副作用を増加させる可能性もあります

そのため、獣医師や薬剤師に相談することがとても重要になってきます。特に、慢性疾患の治療中であったり、複数の薬を服用している犬は、併用時のリスクや効果についてよく理解しておく必要があります。

愛犬の腎臓病のためにできること

犬が腎不全になった場合、毎日の食事管理はとても重要です。獣医師がおすすめする腎臓病専用フードを利用することが一般的ですが、食べてくれないときは、飼い主の愛情がたっぷり詰まった手作りスープで愛犬の健康をサポートすることができます。

リンやタンパク質の管理など、療養食を作る上では難しい事もありますが、獣医師と相談しながら手作りスープにチャレンジしてみてくださいね。

この記事の情報が飼い主様とワンちゃんのお役に立てば幸いです。

  line-friend-08-02

関連記事

  1. ic-liver-20251223-ph08

    2025-12-23

    犬の肝臓をサポートするフード完全ガイド!おすすめ3選

    初心者必見!犬の肝臓サポートにおすすめのフード5選 肝臓は、生命維持に不可欠な機能を担う重要な臓器…

今の時期注目のコラム

  1. ic-kidney-20260107-ph14
    犬の腎臓病で「ささみ」を食べさせて大丈夫?茹で汁は? 腎臓病を患う愛犬の食事管理は、その健康維持に…
  2. ic-kidney-20260107-ph13
    慢性腎臓病の犬の症状やステージと食事療法を詳しく解説 慢性腎臓病(慢性腎不全)は、犬の健康に重大な…
  3. ic-kidney-20260107-ph12
    犬の腎臓病とは?症状や原因と食べてはいけないもの一覧 愛犬の腎臓病は、早期発見と適切なケアが重要で…
無料小冊子プレゼント
ページ上部へ戻る