犬の腎臓病の食事(療養食)・病気にならないための予防法

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犬の腎臓病の食事(療養食)・病気にならないための予防法

犬の腎臓は健康全体において重要な役割を果たしていますが、腎臓病はその働きを阻害し、深刻な健康問題を引き起こします。

この記事では、犬の腎臓病の症状や予防法、そして特別なドッグフードの選び方について詳しく解説します。

愛犬の健康を守るために、日常のケアとしてどのような対策を講じれば良いのか、一緒に学びましょう。

犬の腎臓の働き

犬の腎臓の働き

犬の腎臓は、身体全体の健康を保つために非常に重要な役割を果たしています。詳しくお話ししていきます。

ビタミンDを活性化

犬の腎臓は、ビタミンDを活性化する重要な役割を持っています。ビタミンDは、骨の成長や健康を支えるために欠かせない要素です。

腎臓がビタミンDを活性化することにより、カルシウムの吸収が促進され、骨密度を保つことができます。骨の強化だけでなく、免疫機能のサポートや心血管系の健康維持にもつながります。

体内環境の調和

犬の腎臓は、体内環境の調和において不可欠な役割を果たしています。体液のバランスを保ち、酸塩基の調整を行うことで、身体全体の健康を支えます。

老廃物の排出

犬の腎臓は、老廃物の排出に重要な役割を担っています。血液中の不要物質を濾過し、尿として体外に排出します。この機能が正常に働くことで、体内の毒素が蓄積せず、健康を保つことができるのです。

特に、窒素代謝物や薬物の排出において腎臓の働きが欠かせません。また、水分の再吸収も行い、水分バランスを保つ役割もあります。

血液をつくるホルモンの分泌

犬の腎臓は、血液をつくるホルモンの分泌も行います。エリスロポエチンというホルモンが腎臓から分泌され、赤血球の産生を促進します。

赤血球は酸素を全身に運ぶ重要な役割を持っているので、このホルモンの働きで酸素供給が効率的になります。このため、腎臓の健康状態が血液の質や量に影響を与えます。

血圧の調節

犬の腎臓は、血圧の調節にも関わっています。レニンという酵素を分泌し、血圧を適切な範囲に保つ役割を果たしています。

また、体液量を調整することで、血液の流れをスムーズにします。腎臓が正常に機能することで、血圧の急激な変動を防ぎます。このため、腎臓の健康状態が直接的に血圧の安定に寄与します。

犬の腎臓病とは?

犬の腎臓病とは

犬の腎臓病は、腎臓が正常に機能しなくなる病気です。この病気は、急性と慢性の二種類に分けられます。

慢性腎臓病

慢性腎臓病は、腎臓の機能が徐々に低下する病気です。特に高齢の犬に多く見られます。この病気は長期的な治療と管理が必要となります。症状が現れるまでに時間がかかるため、飼い主が早期発見することが大切です。

急性腎臓病

急性腎臓病は、突然腎臓が機能が低下する状態を指します。急性腎臓病は迅速な治療が求められるため、症状が現れたらすぐに動物病院へ連れて行く必要があります。

犬の腎臓病の症状・検査・原因・治療法

犬の腎臓病の症状・検査・原因・治療法

犬の腎臓病は、早期発見・治療が重要です。症状が現れた時には、すでに進行していることが多いので、注意深く観察しましょう。

検査を通じて正確な診断を受けることが肝心です。原因には多くの要因が考えられ、治療法も多岐にわたります。愛犬のために知識を深め、適切な対応をしていくことが求められます。

症状

犬の腎臓病の初期症状は、非常にわかりづらく見逃されがちですが、早期発見が重要です。

初期段階での一般的な症状には以下のようなものがあります:

  1. 多飲多尿腎臓の機能が低下すると、体は余分な水分や毒素を効率的に排出できなくなります。その結果、異常に多くの水を飲んだり、尿の量が増えたりします。
  2. 食欲減退腎臓病が進行すると、毒素が蓄積し、それが食欲不振を引き起こす可能性があります。
  3. 体重減少食欲が落ちると体重も減少します。
  4. 疲労感腎臓の機能低下は体全体のエネルギーレベルに影響を与え、犬が以前よりもより多く休むようになるかもしれません。
  5. 行動の変化体調が悪いことから、いつもとは異なる行動をとることがあります。

これらの症状は他の健康問題にも似ているため、愛犬にこれらの変化が見られたら、早めに獣医師の診察を受けることが大切です。早期に適切な診断と治療を始めることで、病状の進行を遅らせることができる場合があります。

検査

犬の腎臓病の検査では、まず血液検査を行います。血液中の尿素窒素やクレアチニンの値を測定し、腎臓の機能を評価します。

また、尿検査も行われます。尿の比重や蛋白質の有無を調べることで、更に詳細な状態が分かるのです。

そして超音波検査を用いることもあります。超音波で腎臓の形状やサイズ、内部の異常を確認し、より正確な診断を行います。どの検査も、愛犬の健康を守るために欠かせないものです。

原因

犬の腎臓病は、多くの異なる原因によって引き起こされることがあります。以下に、その主な原因を挙げます:

  1. 遺伝的要因特定の犬種には腎臓病を発症しやすい遺伝的傾向があります。例えば、シーズー、ダックスフンド、コッカースパニエル、サムエドなどがその一例です。
  2. 感染症細菌やウイルスの感染が腎臓に影響を与えることがあります。例えば、ライム病やレプトスピラ症などが腎臓にダメージを与えることが知られています。
  3. 年齢犬が年を取るにつれて、腎臓の機能は自然に低下します。これは、老化による正常な生理的変化の一部です。
  4. 栄養不良栄養過多または栄養不足、特にタンパク質、リン、ナトリウムのバランスが取れていない食事は、腎臓に負担をかけることがあります。
  5. 薬剤誘発性一部の薬剤(特に非ステロイド性抗炎症薬や特定の抗生物質)は、不適切に使用されると腎臓にダメージを与えることがあります。
  6. 有毒物質の摂取抗凍剤(エチレングリコール)や重金属など、有害な化学物質を誤って摂取することも腎臓病の原因となります。
  7. 疾患による二次的影響高血圧や糖尿病など、他の健康問題が腎臓の機能に悪影響を及ぼすことがあります。

これらの原因を特定するためには、獣医師による詳細な検査が必要です。早期発見と適切な管理が愛犬の腎臓病の予後を大きく改善することができます。

治療法

犬の腎臓病(慢性腎不全)の治療は、病状の進行を遅らせ、生活の質を向上させることを目指します。完治は難しいですが、以下の治療方法で症状の管理と状態の安定化を図ることができます。

  1. 食事療法腎臓病に適した特別療法食を与えます。これには低タンパク、低リン、適度なカリウムとカルシウムを含むものが一般的です。ナトリウムの摂取も制限します。
  2. 水分補給の管理脱水を防ぐため、常に新鮮な水を利用可能にします。場合によっては点滴による水分補給が必要なこともあります。
  3. 薬物療法高血圧を管理するためにACE阻害薬を使用することがあります。また、リンの吸収を抑制するリン結合剤、貧血に対してはエリスロポエチン刺激剤が使用されることがあります。消化管保護剤や抗吐き薬も症状に応じて投与されます。
  4. 透析治療腎機能が著しく低下している場合には、血液透析や腹膜透析が行われることがあります。これにより、血中の老廃物と余分な水分を除去します。
  5. 再生医療幹細胞治療などの再生医療は研究段階でありながら、一部の進行した症例において試みられています。これは損傷した腎組織の一部を修復し、機能の一部を回復させる可能性があります。
  6. 運動と環境の管理適度な運動は維持することが推奨されますが、過度の活動は避けるべきです。ストレスの少ない環境を提供することも病状管理には重要です。

これらの治療法は、愛犬の個々の病状や体調に応じて選択され、組み合わされます。定期的な獣医師による検査が必要で、治療計画は継続的に調整される必要があります。

予防法

犬の腎臓病を予防するためには、日常の管理と定期的な健康チェックが重要です。適切な食事、適量の水分補給、適度な運動、そして定期的な獣医師による健康診断を心掛けることで、腎臓病の発症リスクを減らし、愛犬の健康を守ることができます。特に高齢の犬は腎臓病のリスクが高いため、早期からの予防対策が効果的です。

犬の腎臓病のための食べ物

犬の腎臓病のための食べ物

腎臓病を患う愛犬のためには、食事管理が極めて重要です。適切な栄養を与えることで、病状の進行を遅らせることが可能となります。腎臓病の犬にとって安全かつ効果的な食材について詳しく見ていきましょう。

食物繊維を多めに

犬の腎臓病管理において、食物繊維の役割は重要です。食物繊維は消化を助け、体内の毒素の排出を促進するため、腎臓の負担を軽減します。適切な食物繊維の摂取は、犬の腎臓病の進行を遅らせる可能性があります。

食物繊維を多く含む食材のリストをこちらに示します。これらの食材は、腎臓病を持つ犬の食事に取り入れる際に有効ですが、適切な処理や量の調整が重要です。

  1. かぼちゃ:カリウム含量が比較的低めで食物繊維が豊富。茹でたり蒸したりして与えることで、より安全に摂取させることができます。
  2. りんご:皮を剥いて中の果肉のみを与えることで、低カリウムで食物繊維を補給できます。生のまままたは軽く蒸して与えます。
  3. サツマイモ:高い食物繊維を含む上に、消化も良いため腎臓病の犬に適しています。茹でてから与えると良いでしょう。
  4. キャベツ:カリウムが低く、食物繊維が豊富で消化に優れています。軽く茹でるか、蒸して与えると消化しやすくなります。
  5. オートミール:穀物の中でも比較的低タンパクで、食物繊維が豊富です。少量を水または無塩のスープで煮て与えます。

これらの食材は腎臓病の犬の食事に良い選択肢ですが、食材によっては腎臓に負担をかける成分も含まれているため、使用前に獣医師に相談し、犬の健康状態や栄養ニーズに応じた調整が必要です。

良質で適切な量のタンパク質

犬の腎臓病の管理において、良質で適切な量のタンパク質を含む食事は非常に重要です。

腎臓病の進行を遅らせるためには、消化が良く、腎臓への負担が少ない高品質なタンパク質を選ぶことが推奨されます。タンパク質の量を調整しつつ、全体的な栄養バランスを保ちながら、犬の健康をサポートする食事計画を立てることが大切です。

良質なタンパク質源として以下の食品がおすすめです:

  1. 白身魚低脂肪で消化しやすく、高品質のタンパク質を提供します。マグロやタラ、カレイなどが良い選択肢です。
  2. 鶏の胸肉脂肪分が少なく、消化が良いため、腎臓病の犬に適しています。皮を除いた部分を使用することが重要です。
  3. 卵:生物学的価値が高いため、消化が良く腎臓に優しいタンパク質源です。卵白は特に低リンで安全です。

これらのタンパク質源は、腎臓病の犬のための食事に組み入れる際に、過剰な量を避けるため適量を守ることが大切です。獣医師と相談しながら、愛犬の健康状態に合わせた食事プランを作成してください。

必須アミノ酸(オメガ3脂肪酸)

腎臓病を持つ犬のための食事には、必須アミノ酸としてのオメガ3脂肪酸が特に重要です。オメガ3脂肪酸は、炎症を抑制し、腎臓の健康を支える効果があるため、以下の食品がおすすめです:

  1. 亜麻仁油(フラックスシードオイル)植物ベースのオメガ3源であり、α-リノレン酸が豊富です。亜麻仁油は犬の食事に直接混ぜることができますが、加熱は避けてください。
  2. 魚油EPAとDHAが豊富で、特に腎臓の健康をサポートする効果が高いです。加熱せず、普段の食事に混ぜたり、ヨーグルトに加えたりすることで、愛犬に与えやすくなります。

これらのオメガ3脂肪酸源は、炎症を抑え、腎臓の機能を支えるために有効ですが、腎臓病の犬に与える際は獣医師との相談のもと、適切な量を決めることが必要です。これにより、腎臓病の症状の管理と健康維持に役立てることができます。

リンとナトリウムを抑える

リンとナトリウムが多い食品は、腎臓病を持つ犬にとって特に問題を引き起こす可能性があります。

リンが豊富な食品を摂取すると、腎臓の機能が低下しているために体外に排出されず、血中に蓄積します。これが原因で骨の健康が損なわれ、副甲状腺機能亢進症を引き起こすことがあります。

また、ナトリウムが過剰になると血圧が上昇し、腎臓に更なる負担をかけることになります。高血圧は腎臓への血流を悪化させ、腎臓病の進行を速める原因となるため、ナトリウムの摂取を控えることが重要です。

さらに、ナトリウムは体内で水分を保持する効果があり、これが心臓や腎臓に余計な負担をかけることにつながります。このため、腎臓病のある犬ではリンとナトリウムの摂取を制限することで、病気の進行を遅らせることができるのです。

以下は、リンとナトリウムが多く含まれる食品のリストです:

リンが多い食品

  • 肉類特に赤肉(牛肉、豚肉)、内臓肉(レバー、腎臓)
  • 乳製品チーズ、ヨーグルト、牛乳
  • 魚類サーモン、サーディン、鯖(特に骨ごと食べる小魚)
  • 豆類大豆製品(豆腐、味噌、納豆)
  • 穀物全粒穀物、胚芽
  • ナッツ類アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツ

ナトリウムが多い食品

  • 加工肉ハム、ソーセージ、ベーコン
  • スナック類チップス、プレッツェル、塩味スナック
  • 加工食品インスタント食品、冷凍食品、缶詰(特にスープやソース類)
  • ファーストフードファーストフードのバーガー、フライドポテト
  • ピザ特に市販またはファーストフードのピザ
  • 調味料ソース類、しょうゆ、テリヤキソース

これらの食品は、腎臓病を抱える犬には適していません。

良質で新鮮な水

犬の腎臓病において、良質で新鮮な水の提供は非常に重要です。腎臓は体内の老廃物をろ過し、それらを尿として排出する役割を担っています。腎臓病のある犬では、この機能が低下しているため、常に十分な水分を摂取することで尿の流れを良くし、老廃物の排出を促すことが必要です。

新鮮な水は、腎臓にかかる負担を軽減し、腎臓の残りの機能を保護するのに役立ちます。そのため、腎臓病を持つ犬にはいつでも清潔で新鮮な水が飲めるようにしておくことが推奨されます。また、水分不足を防ぐためにウェットフードを与えることも効果的な方法の一つです。

療養食(特別食)ドッグフードの選び方

療養食(特別食)ドッグフードの選び方

療養食(特別食)ドッグフードは、愛犬の健康維持や特定の症状に対応するために重要です。適切な療養食を選ぶことは、犬の長寿や生活の質向上に寄与します。特定の病気や症状に応じたドッグフードには、膨大な種類があるため、飼い主は犬の状態を理解した上で選定することが必要です。

腎臓サポート機能付きドッグフード

腎臓サポート機能付きドッグフードは、腎臓の健康を維持し、進行を遅らせる役割があります。腎臓病に悩む犬は、適切な食事管理が不可欠です。腎臓サポート機能があるドッグフードは、低タンパク質と低リン含有量が特徴で、これが腎臓への負担軽減に役立ちます。

これらのドッグフードは、抗酸化物質やオメガ3脂肪酸も含んでいるものが多いです。これにより炎症を抑え、全体の健康状態を向上させる効果が期待できます。また、水分含有量が高いものが多く、犬が自然に水分を摂取しやすくなります。これにより、腎臓のフィルター機能をサポートします。

腎臓サポート機能付きドッグフードを選ぶ際は、獣医師と相談することが重要です。市販商品でも多くの選択肢があるため、専門家の意見を参考にすることをおすすめします。

成分表示の見方

成分表示を正確に理解することは、適切なドッグフードを選ぶために不可欠です。まず、成分リストは降順で表示されています。つまり、最初に記載されている成分が最も多く含まれていることを示しています。愛犬の健康を考慮するなら、最初に肉や魚が含まれている製品を選ぶのが良いでしょう。

次に、添加物の確認も重要です。人工添加物や防腐剤が含まれていないことが理想です。これらの成分は、長期的に犬の体に負担をかける可能性があります。したがって、自然由来の成分が使用されている製品を選ぶことが望ましいです。

最後に、目的別の成分も確認してください。例えば、腸内環境を整えるためのプロバイオティクスや、関節をサポートするグルコサミンなど、特定の健康問題に対応する成分が含まれている商品が推奨されます。

愛犬の腎臓病ケア

愛犬の腎臓病に対処する際は、適切なケアが非常に重要です。継続的な管理と予防がキーとなり、これには適切な食事、環境、日常の慣習が含まれます。早期発見と獣医師との連携により、愛犬の健康を長期にわたって支えることができます。読者の皆様には、この情報を、愛犬の生活の質を向上させるために活かしていただければ幸いです。

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