ミニチュア・ピンシャー

ミニチュアピンシャー

写真:Sebwal

ミニチュア・ピンシャー

犬種の特徴

体高と体長がほぼ同じ体型をしたミニチュア・ピンシャーは、肩から腰にかけてのラインがほどよく引き締まった、がっしりとした小型でありながら、中型犬以上を思わせる均整のとれた体格をしています。
きらきら輝く瞳と俊敏な動作は小鹿を連想させ、前肢を高く上げるハクニー歩様が特徴です。
被毛は短く、少々硬めですが手触りはなめらかです。

たミニチュア・ピンシャーは、活発で、元気のよい、自信に満ちた穏やかな性格です。常になにかおもしろいことを見つけようとせわしなく動き回り、大胆で恐い者知らずなところがあります。頑固で独立心の強い性質も持ち合わせています。他の犬には攻撃的になることがあり、警戒心が強く、見知らぬ人には距離を置き、なかなか心を解こうとはしないでしょう。

この犬の歴史

ミニチュア・ピンシャーは200~300年前にドイツや北欧の国々で小害獣駆除を目的として飼育されていた中型の犬種(ヘル・ピンシェル)を小型に改良したものです。ヘル・ピンシェルはドーベルマン・ピンシャーの祖先としても知られる犬種ですが、ミニチュア・ピンシャーはドーベルマン・ピンシャーを小型化して作られた犬種ではなく、ドーベルマン・ピンシャーよりも古い歴史を持った犬種です。

ミニチュア・ピンシャーは短毛のテリア(ジャーマン・ピンシャー)とダックスフンド、そしてイタリアン・グレーハウンドを掛け合わせて作られたといわれています。これらの犬種が持っているそれぞれの特質が、現在のミニチュア・ピンシャーにも脈々と引き継がれています。

丈夫な体や短気な性質、そしてブラック・アンド・タンの配色はジャーマン・ピンシャーから、恐い者知らずの性格とレッドの配色はダックスフンドから、優美な身のこなしと遊び好きな性格、しなやかで柔軟な動きはイタリアン・グレーハウンドから引き継がれたものでした。

しかし、ミニチュア・ピンシャーはこれらの犬種たちの特徴を寄せ集めただけではなく、どの犬種よりも元気のよい、活発な犬種という独自の特徴も持っていました。

ドイツ原産のミニチュア・ピンシャーは、1800年代に“レー(鹿)・ピンシャー”という独特の犬種として登場します。小型の赤いジャーマン・ロー・ディアー(鹿の一種)に似ていたことからこのような名前が付けられました。ちなみに“ピンシャー”とはドイツ語で“テリア”のことを指します。

1800年代後半には、さらに小型化を目指した交配が重要視されるようになり、その結果、不具だったり醜かったりする犬が誕生してしまうことになります。その後、幸いにもこの傾向は薄れ、1900年頃には再び優美さと健全な肉体を重要視した交配が行われるようになりました。

ミニチュア・ピンシャーは未知の人に強い警戒本能を示すため、一時期アメリカでは車の盗難防止や麻薬密売者の護衛犬として、車に載せられている事がありました。
ミニチュア・ピンシャーは1920年以降アメリカにわたり、人気が上昇し、我が国にはアメリカ経由で多くの犬が入っています。1929年にはAKCからの認定を受けるまでになります。現在ではアメリカでもっとも人気のある犬種のひとつとなっています。

かかりやすい病気

気をつけたい病気 特にありません。
予防として、膝関節検査、眼科検査をしておくことをおすすめします。
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獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

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