ノーリッチ・テリア

ノーリッチ・テリア

写真:Helene Gisin Hgisin

ノーリッチ・テリア

犬種の特徴

ふさふさの毛に包まれた愛らしい容姿のノーリッチ・テリアは、コンパクトな体型で、体高より体長が長めの、頑丈で、がっしりした体格をしています。四肢は短いですが、生まれながらの獲物を追いかけるだけの機敏さがあります。耳は鋭く直立しているのが特徴です。また、作業犬のなかでももっとも小さな犬種のひとつでもあります。

被毛は、二層構造になっており、針金状にかたく粗い短めの被毛と、頭に生えた被毛は、少し長めになっています。頬毛と眉毛、くびのまわりには、たてがみをのような被毛があります。

ノーリッチ・テリアは、ノーフォーク・テリアと同様に、冒険したり未知なるものを探索したりといったことが大好きな、典型的なテリア種です。根っからの猟犬だけあって、小動物を見つけるとすぐに追いかけたがりますが、どんな環境にも対応できて、人や、ほかの犬たちとも仲良くできます。

この犬の歴史

イギリスでは長い間、ネズミ捕りに長けた短足のテリア種が大切に扱われてきましたが、1880年代に、後にノーリッチ・テリアとノーフォーク・テリアに分かれていくことになるひとつのテリア種が出現してきました。

当時、この小型のテリアを飼うことがケンブリッジ大学の学生の間で流行っていたため、この犬は最初、カンタブ(ケンブリッジ大学の)・テリア、そしてその後大学の近くの「トランピントン・ストリート」にちなんでトランピントン・テリアという名前で知られるようになります。

1900年頃に、「ラグズ」という名前のトランピントン・テリアが、ノーフォーク州ノーリッチ市の近くにある犬舎に移されることになり、優れたネズミ捕り犬として名を馳せ、種犬としても人気を博することになりました。その結果、ラグズは数えきれないほど多くの子孫を作り出し、現在のノーリッチ・テリアの先祖といわれております。

1932年KC(イギリス)はこの犬種をノーリッチ・テリアとして公認し、当時ノーリッチ・テリアは直立耳と垂れ耳の両方が認められていたが、これらを別犬種とする運動が起こったため、1965年に立ち耳をノーリッチ・テリア、垂れ耳をノーフォーク・テリアとして区別しました。

その後、その子孫犬のうちの1頭がアメリカに渡り、この犬が愛らしく振舞ったため、「とても人なつこくて愛想のよい犬」というイメージが定着しました。この犬の飼い主が「ジョーンズ」という名前の人物だったため、アメリカでは飼い主の名前にちなんで、「ジョーンズ・テリア」と呼ばれています。このテリアは、さまざまなフォックスハウンドの群れと一緒にキツネ狩りに参加してその狩猟能力を発揮し、1936年にノーリッチ・テリアとしてAKCに認定されました。

当時、この犬種は立ち耳タイプだけを認めていましたが、耳が垂れたタイプの犬も存在するということが判明し、1979年に耳の垂れたタイプをノーフォーク・テリアという別の犬種として認定されることになります。

 

かかりやすい病気

気をつけたい病気 特にありません。
予防として、心臓機能検査、膝関節検査をしておくことをおすすめします。
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獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

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