チン(狆)

チン(狆)

チン(狆)

犬種の特徴

正方形に近く、コンパクトでひきしまった小型犬。小柄ながらも、活発的です。日本原産の犬種で、どこか東洋的で高貴な雰囲気を漂わせています。優雅に軽やかな足取りで歩き、東洋的な気品を持ち合わせています。

被毛は、まっすぐで長くのびた絹のようで豊かな被毛が、体全身に覆われています。耳、腿、尾にも飾り毛があります。

膝の上に乗ったり、ゲームをして遊んだりすることを好む狆は、愛玩犬として理想的な犬種です。神経質な面もありますが、友好的で、飼い主に忠実です。また、この犬種は猫のようだともいわれているようです。

この犬の歴史

古代中国を誕生の起源とする狆は、狆の祖先はスペイン系の小型スパニエルであろうと考えられています。そこからろーま ペギニーズと同様、狆もまた中国の貴族から愛玩犬として可愛がられ、時には国外からの来賓客に献上されていたようです。

狆がどのような経緯で日本にやってきたかについては正確にはわかっていませんが、仏教の布教者が520年以降に持ち込んだという説や、韓国の王族が720年以降に持ち込んだという説、さらに千年ほど前に中国の皇帝が日本の皇帝に狆のつがいを贈呈したのではないかという説など、いくつかの説が存在しています。経緯ははっきりしていませんが、日本の皇族に愛され、愛玩犬として大切に飼われていたようです。なかには鳥かごに入れて飼われていた狆もいたほどでした。
江戸時代には大奥や各地の大名の間で流行し、また町民レベルでは狆を飼うことが一種のステータスシンボルでした。

狆は、1613年には英国人キャプテン・サーリスにより英国に持ち帰られたとされています。そして、1853年にアメリカのペリー提督がつがいの狆を、イギリスのヴィクトリア女王に贈呈したのが最初となっています。その後、多くの貿易商人たちによって、たくさんの狆がヨーロッパやアメリカで売買されるようになりました。

イギリスに持ち込まれた狆は、現在のものよりも比較的大きく、小型のイングリッシュ・トイ・スパニエルとの交配によって徐々に小型化されていったと考えられています。19世紀後半になって、AKCが狆を「ジャパニーズ・スパニエル」として認定しました。現在はスパニエル種との区別を明確にするため、ジャパニーズ・チンと改名されています。

第一次世界大戦後、それまで順調だった狆の日本からの輸出が途絶えてしまいますが、もうすでに十分な数の狆が欧米諸国に存在していました。

いまではアメリカでも日本でも安定した人気を維持しています。

かかりやすい病気

気をつけたい病気 特にありません。
予防として、膝関節検査、眼科検査をしておくことをおすすめします。
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獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

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