ケリー・ブルー・テリア

ケリー・ブルー・テリア

写真:Alofok

ケリー・ブルー・テリア

犬種の特徴

ケリー・ブルー・テリアは、すらっとして、引き締まりプロポーションも良く、筋骨のバランスのボディと筋肉が発達しています。
優れた運動能力を持っていて、様々な作業をこなすことができ、走ったり、家畜の群れを動かしたり、獲物を回収したり、泳いだり、害獣をしとめたり、やすやすとやってのけるなど、理想的な伴侶犬だといってもいいです。

独特のブルーグレーの色をした被毛は、豊かに蓄えた口髭と美しい巻き毛が魅力。シルクのように柔らかく、密生していて、ウェーブがかかっています。

社交性で、人に優しく、年をとっても幼い時の気持ちをもちつづけているので、飼い主には、いつまでも子犬のようにふるまいます。警備犬、狩猟犬、牧畜犬、または伴侶犬と、いくつもの顔を持っている万能犬です。

この犬の歴史

ケリー・ブルー・テリアはアイルランドの農村部や山間部で家畜の番犬・猟犬として飼育されていた長肢のテリアです。
ケリー郡では、少なくとも1世紀にわたり、この犬種を家畜を荒らす害獣や小動物、さらに鳥までしとめる狩猟犬として、また水陸両用の回収犬として、さらに羊や牛の群れを管理する牧羊犬としてなど、多方面に渡って利用していました。

ケリー・ブルー・テリアの被毛はテリア犬種には珍しいシングルコートです。
シルバー・グレー、スモーク・ブルーなどの軟らかい巻き毛はこの犬種独特のものです。 ケリー・ブルー・テリアは「アイリッシュ・ブルー」とも呼ばれ、その被毛色によってヨーロッパで人気を高めました。
出生から1年未満では毛色はブラックで、1年半位にならないとブルーの被毛色が現れません。 毛色の変化の早いものほど淡いブルーに落ち着くと言われています。
成犬のブラック色は失格でになるため、1年半位の間はヒヤヒヤしながら飼育したそうです。

1924年にAKCの認定を受けましたが、当初は犬の被毛がだらしなく乱れた感じになっていました。その後、グルーミングが徐々に定着するようになり、洗練されたケリー・ブルー・テリアはショードッグとして確かな人気を得ることになります。グルーミングが施されるとこの犬種は見違えるようになり、1928年までには、印象的でバランスが取れた、美しく、柔らかいブルーの被毛により世界的に人気がでました。

ショードッグでの活躍の他にも、あらゆる仕事をこなせる万能犬として、警備犬として活躍したり、地下犯罪組織を追跡したりといった任務をこなしてもいました。しかし、現在は普通の家庭犬として穏やかな人気を集めています。

かかりやすい病気

気をつけたい病気 進行性神経疾患(ケリー・ブルー・テリア・アビオトロフィー)、小脳失調症
予防として、股関節検査・眼科検査をしておくことをおすすめします。
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獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

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