イングリッシュ・トイ・スパニエル

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イングリッシュ・トイ・スパニエル

犬種の特徴

少しずんぐりした外観のイングリッシュ・トイ・スパニエルは、横から見ると正方形に近い胴体をしています。
一日を自由に、かつ陽気に過ごすことに喜びを感じ、常に飼い主の気持ちを考えつつも、愛想がよく、穏やかで行儀のよい家庭犬として理想的な犬種といえます。ただ、飼い主や家族には忠誠を尽くしますが、見知らぬ人に対しては距離を置く場合があります。また、少々頑固な性質を持ち合わせている犬も中にはいるようです。
全体が絹のように繊細で美しく、ふさふさとした豊かな被毛で覆われており、一本一本の被毛は、まっすぐか、もしくは少しウェーブがかかっていたりします。
足元などいたるところに飾り毛がはえているのも特徴的ですが、なんといっても最大の特徴はきれいな半球型をした丸型の頭部とその独特の表情です。美しく輝く黒い目と、心が癒されるような優しい表情が、多くの人々を魅了しています。

この犬の歴史

イングリッシュ・トイ・スパニエルは、小型のスパニエル系と東洋の小型犬とを交配させた結果誕生した犬種とされ、もともとはキャバリア・キング・チャール ズ・スパニエルと同じひとつの犬種だったといわれています。スコットランド王国のメアリー女王がフランスからトイ・スパニエルを連れてきたのがこの犬種の始まりだという説があり、それを裏付ける証拠も見つかっています。

これらの「コンフォーター・スパニエル(癒しのスパニエル)」と呼ばれていた犬たちは、当時、飼い主の足元や膝を温める愛玩犬として、上流階級の人々の間で人気となっていました。これらの犬種を溺愛していたチャールズII世の時代である17世紀には、この犬たちの人気は頂点を極め、彼の名前をとって「キン グ・チャールズ・スパニエル」と呼ばれるまでになります。イギリスでは現在でもイングリッシュ・トイ・スパニエルをキング・チャールズ・スパニエルと呼んでいます。

イングリッシュ・トイ・スパニエル(当時はキング・チャールズ・スパニエル)は、当初、毛色はすべてブラック・アンド・タンでしたが、後になって他の色が次々と誕生します。その先手となったのが、マルボロ伯爵が作り出した白地に赤毛斑のスパニエルでした。この犬は、伯爵の領地の名前にちなんで「ブレンハイム」という名前が付けられました。

この白地に赤毛斑の毛色は、チャイニーズ・コッカー・スパニエルとの交配によって誕生したもので、ヤマシギ狩りにおいてすばらしい能力を発揮する狩猟犬と して大変な評判になりました。しかし、人々の多くは、猟犬ではなく、人目を引く可愛らしい愛玩犬を望んでいたこともあって、1700年代に入り、英国内にパグが登場すると、従来のスパニエルとの交配が進み、の犬種はどんどん小型化され、頭部がより丸型になり、鼻口部がより短く発展していきます。

こうして小型化された後、この犬種はアメリカに渡り、人々から「イングリッシュ・トイ・スパニエル」と呼ばれるようになります。この犬種は、現在も貴族的でありながら飼い主を楽しませてくれる愛玩犬として、人々から可愛がられています。

ちなみにこの犬種の毛色はパーティー・カラー(はっきりと区別できる2色以上の毛色)と、ソリッド・カラー(単色に統一された毛色)の2種類に分けられま す。レッド・パーティー・カラーの「ブレンハイム(ブレンハイム・スパニエル)」とブラック・アンド・タン・パーティー・カラーの「プリンス・チャール ズ」、そしてレッド・ソリッド・カラーの「ルビー」と、ブラック・アンド・タン・ソリッド・カラーの「キング・チャールズ」といった具合になっています。

かかりやすい病気

気をつけたい病気 膝蓋骨脱臼
予防として、股関節検査・眼科検査をしておくことをおすすめします。
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獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

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