アイリッシュ・ウォーター・スパニエル

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アイリッシュ・ウォーター・スパニエル

犬種の特徴

アイリッシュ・ウォーター・スパニエルは他のスパニエルよりも体高が高く、細身の体格をしています。胴体は横に長めになっており、その外観からは忍耐力の強さと威勢のよさがうかがえます。また、軽やかな足取りで、しっかりと地面を踏みしめながら歩きます。

油脂分に富んだ硬質の巻き毛に覆われており、耐水性が高く、この被毛のおかげで、冷たい水中での作業が可能です。

性格は溢れんばかりの喜びと情熱を持って生活すべてを心から楽しもうとする犬種ですが、用心深く、探究心旺盛、主人には忠実ですが見知らぬ人には警戒心を示すことがあります。

この犬の歴史

アイリッシュ・ウォーター・スパニエルは、もっとも古く、もっとも際立った特徴を持ったスパニエルといえます。この犬種に類似した犬たちがすでに1000年前に描写されており、1100年代には、アイリッシュ・ウォーター・スパニエルを筆頭に、シャノン・スパニエル、ラットテイル・スパニエル、ウィップテイル・スパニエルなどについての記録が見つかっています。

1600年以降になると、より詳しいアイリッシュ・ウォーター・スパニエルについての記述がなされるようになり、そこにはフランス国王が、この犬種を贈呈されたニュースなども記載されています。

古代ローマ時代の遺跡からはアイリッシュ・ウォーター・スパニエルと思われる犬の彫像が発見されています。
アイルランドには過去に3種類のウォーター・スパニエルがいたと言われますが、アイリッシュ・ウォーター・スパニエルはその内唯一の生き残りであると言われており、その中の一種類、サザン・アイリッシュ・スパニエルが、結局のところこの犬種の祖先犬ではないかと考えられています。

1934年から1936年にかけてハーバードの考古学調査団がアイルランドを訪れ、ラゴールにある湖の底を発掘した所、他の犬種に混じってアイリッシュ・ウォーター・スパニエルと考えられる頭蓋骨が発見され、この犬種が7~8世紀頃、すでに生息していた事を突き止めました。
中央ヨーロッパの古い湖からも同タイプの頭蓋骨が発掘されており、当時この犬種は、水中に落ちた矢を拾って来るよう、訓練されていたのではないかと考えられています。

どこかおどけた雰囲気を持つ魅惑的な外観と、水のなかに落ちた獲物を回収してくるすばらしい能力にもかかわらず、アイリッシュ・ウォーター・スパニエルの人気は徐々に衰えていき、現在はショードッグとしても、ペットとしてもあまり見かけなくなってしまいました。

かかりやすい病気

気をつけたい病気 股関節形成不全。
予防として、股関節検査をしておくことをおすすめします。
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獣医師・宿南章獣医師

投稿者プロフィール
【文責】 獣医師・宿南 章(しゅくなみ あきら)
   
【資格】 獣医師免許(1993年取得)
   
【所属団体】 The Royal Society for the Protection of Birds 会員

日本盲導犬協会 会員

野生動物救護獣医師協会 正会員
   
【プロフィール】 1969年生まれ 兵庫県養父(やぶ)市出身。

日本大学農獣医学部(現日本大学生物資源科学部)獣医学科卒業。 獣医師。
横浜で犬猫の動物病院に勤務。その後、米国のCAM( Complementary and Alternative Medicine )を日本に導入している 研究所に移籍。北海道の農協の依頼を受け、牛のサルモネラダブリン症の治療を行い、当時抗生物質も効かない病気を治癒させるなど、数多くの治療実績を持つ。
その後、予防医学に特化した自然療法動物病院を設立し現在に至る。

   
【研修・研究内容】 1983年…アメリカ ウィスコンシン州、400エーカーの酪農家で住み込み実習

1985年…北海道 中標津 200頭飼育の酪農家で住み込み実習

1988年…獣医薬理学研究室にて薬草の薬理作用の研究(3年間)

1993年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(1回目)

1994年…アメリカ カリフォルニア州 医療研修(2回目)

2006年…オーストラリア メルボルン イアンゴウラー財団でガン医療研修
   
【論文】 Efficacy determination test for the Vibrational therapy in case of the skin ulcer induced on mice A.SHUKUNAMI Eastern Medicine 2004
   
【著書】 「薬いらずで愛犬の病気は治る」WAVE出版 は、17部門で1位を獲得するベストセラーとなり高い評価を得ている。

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